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マジック点灯の阪神 尼崎駅前の「日本一早いマジック」商店街は「消滅」「再点灯」にどう対応するのか?

商店街で「日本一早いマジック」の数字を減らす担当を務める尾島さん

商店街で「日本一早いマジック」の数字を減らす担当を務める尾島さん

 阪神が18年ぶりの優勝に向けて突き進んでいる。8月16日には2位広島に勝利したことで優勝へのマジックナンバー「29」が点灯した。同19日には「27」まで数字を減らし、“アレ”へのカウントダウンに虎党は沸いているが、点灯したばかりだと自軍やマジック対象チームの勝敗次第ですぐに消滅することもある。そうしたなか、「日本一早いマジック点灯」で知られる尼崎中央三丁目商店街の対応にも、注目が集まっている。

 同商店街の「マジック」はプロ野球の正規ルールとは違い、基本的に「残り試合」を表示している。今年も開幕した3月29日にマジック143が点灯。阪神が負けた日には数字を減らさず、勝った翌日に残り試合数まで一気に減らす仕組みになっている。

 そのため8月16日は残り試合数の「39」が掲げられていたが、阪神に本物のマジックが点灯したことで掲示される数字が一気に「29」まで減ったのだった。いよいよ18年ぶりの優勝が視界に入り、商店街もかなり盛り上がっているのかと訪れてみたが、なぜかお祭り騒ぎというわけではなかった。

 阪神が勝利した翌日にマジックを減らす担当は、数字を掲示する「めでタイガー」の近くに位置するペットショップの店長・尾島晴己さん。8月17日朝に「29」の数字を取り付けたという尾島さんはこう話す。

「昨年は9連敗スタートで優勝争いに絡めなかったどころか、2リーグ制以降最速となる7月2日にはヤクルトにマジック53が点灯。その時点で商店街のマジックが消滅しました。2021年は勝ち星ではヤクルトを上回っていながら勝率で優勝を逃しましたが、阪神にマジックがつく機会はなかった。

 それだけに“ついに”という感じで、『29』を取り付けた8月17日朝に朝日新聞が取材に来ていました。ただ、もっと報道陣が集まるかと思ったんですが……。ちょっと意外な感じでした。それでも1ケタになればさすがに盛り上がるでしょう。この先も粛々と(数字を)減らしていきます」

 優勝祈願の垂れ幕が掲げられ、「六甲おろし」が流れる商店街で買い物する人たちの話を聞くと、「岡田、ようやっとる」「いよいよやな」「今年は間違いないやろ」の声が聞こえる一方、初老の男性は「ホンマのマジックがついたことやし、そろそろ期待してもええかなと思っとるけど、阪神のことやからなぁ。まだまだ安心でけへん。これまで何回裏切られたことか」とマジック「29」のボードを見上げていた。

 他にも「原巨人がアカンからな」「サトテル(佐藤輝明)をなんとかせえよ」と、18年間も優勝から遠ざかっているためか手放しで喜べずにいる人も少なくなかった。

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