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【日比谷野音100年物語】音楽プロデューサー・亀田誠治さんが語る「ほかにはない特別な空気」と「変化」

日比谷音楽祭実行委員長で、音楽プロデューサーの亀田誠治さん(59才)。’64年米ニューヨーク生まれ。東京事変のメンバー。椎名林檎(44才)、平井堅(51才)、スピッツ、GLAY、いきものがかりなど多数のアーティストの楽曲に携わる。写真提供:日比谷音楽祭

日比谷音楽祭実行委員長で、音楽プロデューサーの亀田誠治さん(59 才)。1964年米ニューヨーク生まれ。東京事変のメンバー。椎名林檎(44才)、平井堅(51才)、スピッツ、GLAY、いきものがかりなど多数のアーティストの楽曲に携わる。写真提供:日比谷音楽祭

 1923(大正12)年に日本初の大規模野外音楽堂として誕生した「日比谷野外音楽堂」。100周年の今年、さまざまなイベントが行われているが、施設の老朽化による建て替えのため2024年10月より使用休止となる。多くのアーティストに愛され、数々の伝説を生んだ野音の歴史を、ここで振り返ってみよう。1960年代後半から1970年代にかけて「ロックの聖地」「フォークの殿堂」と呼ばれるようになった野音。1980年代後半以降も多くのロックコンサートが開催された──。【全3回の第3回。第1回から読む】

 1987年には女性だけのロックフェス『NAONのYAON』がスタート。バンドブームも手伝い、1990年代以降もHOUND DOGや、エレファントカシマシなど、若者から圧倒的な支持を受けていたバンドが野音のステージを彩っていく。

「野音にはほかにはない特別な“空気”がある」と、音楽プロデューサーの亀田誠治さんは言う。

「彼らは収容人数の多い日本武道館やアリーナなどでコンサートを行うようになったいまでも、野音のステージを大切にしています。

 ぼく自身も、1999年に椎名林檎さん(44才)のコンサートメンバーとして、初めて野音のステージに立ったのですが、そこから見えた景色に圧倒されたんです。

 というのも、すぐそこに3000人のお客さんがいて、その向こうに木々が見え、その後ろに官公庁のビル群が聳え立つ。いわゆる『ザ・東京』という景色なんです! 晴れた日はきれいな青空が広がっていますし。“こんな場所が東京にあるんだ”って、感動したのを覚えています。

 ぼくは武道館のステージにも立っていますが、武道館は天井から音が降ってくると感じるのに対し、あのとき感じた野音のステージは東京の空、いや、宇宙に向かって自分たちの音が飛んでいくんじゃないかと思いました。音楽の神様に背中を押されているような、『この先アーティストとしてちゃんとやっていける』という自信をもらった気がします」(亀田さん・以下同)

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