椎名林檎一覧

【椎名林檎】に関するニュースを集めたページです。

【動画】椎名林檎をキャッチ! ラジオなのにバッチリファッション
【動画】椎名林檎をキャッチ! ラジオなのにバッチリファッション
 ラジオ番組終わりの椎名林檎さんの姿をキャッチしました。 右肩と腕を露わにしまるで民族衣装のようなきらびやかな服装で現れた椎名さん。 42才になっても抜群のスタイルは健在。 髪型もばっちり決めて姿の映らないラジオ番組でもアーティストイメージを壊さない姿で登場していました。 椎名さんは、昨年に8年ぶりに再結成したバンド『東京事変』で精力的に活動中。 6月9日に10年ぶりとなるフルアルバムをリリースしプロモーション活動をしている最中です。【↑ 上の写真クリックで動画へ】
2021.06.22 16:00
NEWSポストセブン
五輪に翻弄された椎名林檎「二の腕、生足」魅せる服で吹っ切れた!
五輪に翻弄された椎名林檎「二の腕、生足」魅せる服で吹っ切れた!
 まるで民族衣装のような、右肩と腕を露わにしたきらびやかな服装で現れたのは歌手の椎名林檎。42才になっても抜群のスタイルは健在。髪型もばっちり決めて、たとえラジオ番組の仕事でもアーティストイメージを壊さない姿でこなすあたりは、さすがである。 あるレコード会社関係者は「昨年に8年ぶりに“再生”(再結成)したバンド『東京事変』で精力的に活動中。6月9日に10年ぶりのフルアルバムをリリースして、かつてないほどのプロモーション活動をしている最中です」と話す。 音楽の専門的知識を掘り下げるバラエティー番組「関ジャム 完全燃SHOW」(テレビ朝日系、日曜午後11時)にも13日と20日と2週連続で出演。「変ジャム 森羅万SHOW」と番組名まで変えての大特集という、特別扱いだった。「椎名さんら東京事変のメンバーは、本人のそっくりさんという設定で出演し、これまためったにテレビ出演をしない『King Gnu』のギター・ボーカル常田大希さん(29才)とドラマー勢喜遊(28才)までが、彼女たちのファンとして出演。SNS上では視聴者たちから『関ジャムの神回!』と絶賛されました」(前出・レコード会社関係者)。 椎名の元に才能豊かなミュージシャンが集った東京事変は、令和のJ-POPシーンの最前線で活躍する若手ミュージシャンたちにも憧れられる存在。同番組では、常田に「曲の展開もサウンドも、かなりプログレッシブなことを、メインストリームでこれだけの規模で鳴らせているバンドはほかにいないんじゃないか」と尊敬を口にされると、椎名は照れながら感激した。 改めて、そのオンリーワンな存在感を示し始めている椎名。ある情報番組のディレクターは「1年前のつまずきを考えたら、よく持ち直しました」と振り返る。 新型コロナウイルス感染が広がり始めた昨年2月29日。ほかのアーティストたちが自粛する中で、8年前のバンド解散日だった閏日からの再始動という意味もあり、ツアー初日を決行、翌3月1日にもライブを行った。しかし、2月中旬に大阪のライブハウスでクラスターが発生しており、感染がますます拡大する中でのライブ開催に、バッシングの声が高まり、その後の全国ツアーは中止することになった。 さらに椎名は、東京五輪・パラリンピックの開閉会式の演出チームの一員だったが、こちらも昨年12月にゴタゴタが表面化して、演出陣が解散。「椎名さんには何の非もないまま、コロナで余計な批判や迷惑を被ってしまった。2020年は気の毒な年でもありました」(前出・情報番組ディレクター)。 椎名は、6月10に配信された「FIGARO」のインタビューで、そんな鬱屈した思いも露わになった新作アルバムだと認めた上で、コロナに対しては「チキショー」と言い、「サンドバッグも経験しましたし」とバッシングも笑いながら振り返った。 昨年大みそかのNHK紅白歌合戦出場あたりから、若い世代の音楽ファンたちにも再注目を浴び始めている東京事変。今後も各方面からのオファーは続きそうだ。
2021.06.20 16:00
NEWSポストセブン
歌手・松たか子が『大豆田とわ子』で再評価 背景に“本当の夫”も
歌手・松たか子が『大豆田とわ子』で再評価 背景に“本当の夫”も
 松たか子が演じる“バツ3”の設計事務所社長・大豆田とわ子と、3人の元夫たちとの奇妙な交流を描くラブコメディ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系、毎週火曜21時~)。坂元裕二による脚本や出演するキャストの個性的な演技もさることながら、「松たか子の歌が上手すぎる!」とテーマ曲が話題を集めている。 エンディングテーマ曲『Presence』(STUTS & 松たか子 with 3exes)は、ラップを主体とした楽曲に松たか子がサビを乗せていく歌だ。放送時には毎回、異なるドラマのキャストがフィーチャリングされるという仕掛けも話題を呼んでいる。第1話の主題歌は『Presence I(feat. KID FRESINO)』、第2話は『Presence II(feat. BIM, 岡田将生)』、第3話は『Presence III(feat. NENE, 角田晃広)』と、クレジットされる曲名も放送のたびに微妙に変わるほどの手の込みようだ。 YouTubeで公開された第1話の『Presence I~』のミュージックビデオは再生数200万回を突破(5月4日現在)。「あらためて松たか子の歌が上手い」「ラップとも相性がいいとは」「こんなにソウルフルに歌えるなんて」といった賛辞が送られている。かねて歌唱力を高く評価されてきた松が、新境地を切り拓いているといえそうだ。「今さら言うのも野暮ですが、松さんの音楽は“役者の余技”などというレベルではありません」と話すのは、『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)でのJ-POPの解説でもおなじみの音楽プロデューサー・松尾潔氏。松尾氏が、「歌手・松たか子」の魅力を解説する。「松さんの歌は、ピッチ(音程)、ノート(音符)の長さ、リズム感の正確さにおいて、J-POPシーンを見渡しても屈指の存在です。特にリズム感については、昨今のポップミュージックで主流のヒップホップからの影響が強い洋楽的なリズムにも対応できます。 さらに、“音楽的な正しさの基準”であるリズム感に加え、“カッコよさや気持ちよさの基準”である、“ここで声を発する・発さない”という『タイム感』のセンスが非凡。俳優業であることを考えれば当然ですが、つまり“語るように歌う”技術に長けているのです」 たしかに、『Presence I~』では、ラッパーKID FRESINOによる英語主体のラップの合間を縫うように、松が「ひとり語り」のようなボーカルをかぶせ、高度なリズム感を披露している。さらに、松尾氏は彼女の「歌声」にも注目する。「松さんの歌声の魅力は、“人懐っこさを十分に有しながらも湿潤すぎない”という絶妙なバランスの上に成り立っています。それが先ほど述べた『タイム感』のセンスと相まって、“オールマイティーなボーカリスト”という印象を作っています。 また、デビュー時よりも中低音部の響きの豊かさが増しているのも、昨今のヒップホップやR&Bのリズムからの影響が顕著なポップミュージックの世界的な潮流とも相性が良い。ただし、テーマ曲の『Presence~』はR&Bの色合いが強いですが、松さんのボーカルはR&Bやゴスペル的な歌唱とは一線を画しており、それが担保となり“マニアックではない、開かれたポップミュージック”になっています。 たとえると、“和服のこなれた着こなしは言うまでもないが、一方でハイブランドのドレスもよく似合う”といったところでしょうか」 松たか子といえば、ディズニー映画『アナと雪の女王』でエルサ役の声優を務め、2020年のアカデミー賞授賞式で世界9か国のエルサ役声優とともに歌を披露したことも記憶に新しい。ドレス姿で堂々と歌う松の歌声は海外リスナーからも注目された。松尾氏は、『Presence~』が世界から評価される可能性があると続ける。「同曲を作曲したSTUTSさんは、美しいメロディやメロウな音世界を探求している音楽家です。ブラックミュージック的なビート+メロウなサウンドと、メロディ+(涼しげな)松さんのボーカルが合わさり、昨今世界から注目される『シティポップ』といえる仕上がりになっています」 YouTubeなどのプラットフォームの発達とともに日本の歌謡曲やJ-POPが発掘され、再評価される機会が増えている。特に、山下達郎など洋楽に影響を受けて日本で独自に発達した1970~80年代の音楽は「シティポップ」として、世界的な注目を浴びている。その潮流に松たか子がハマるのには、「理由がある」と松尾氏は言う。 それは、松たか子の “本当の夫”である音楽プロデューサー・佐橋佳幸氏の存在だ。「松さんのパートナーである佐橋佳幸氏は、プレイヤーとしては日本のセッションギタリストのトップ中のトップであり、山下達郎さんのバンドの要的な存在。さらに、実績あるプロデューサーとしてもご活躍されています。そんな環境で、松さんのもとには膨大な音楽シーンの最新情報が届いているわけです」 歌の才能だけではなく、音楽的センスを支えるパートナーを持つ松たか子。トレンドを取り入れた最新楽曲にもスムーズに対応できるのは、その環境にもよるのだろう。最後に、歌手・松たか子の魅力が存分に発揮されている楽曲を松尾氏に挙げてもらった。「ドラマ『カルテット』(2017年、TBSテレビ系)の主題歌『おとなの掟』(作詞・作曲/椎名林檎)は、松さんのポップス・シンガーとしての“情報処理能力の高さ”が圧巻です。ともすれば情報量過多で胃もたれしかねない楽曲ですが、彼女の“引き算の美”により、歌唱力と表現力が生きています。松さんの楽曲の中でもベストのひとつでしょう。椎名林檎さんのセルフカバー曲などとも聴き比べてみてください」 5月4日21時から放送予定の『大豆田とわ子と三人の元夫』の第4話は、松田龍平演じる1番目の元夫・田中八作がキーマンとなる回だ。エンディング楽曲で誰がどのようにフィーチャリングされるのかにも注目したい。【解説者プロフィール】松尾潔(まつお・きよし)/1968(昭和43)年、福岡市生まれ。早稲田大学卒業。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。SPEED、MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。その後、プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、東方神起、三代目J SOUL BROTHERS、JUJU等を成功に導く。これまで提供した楽曲の累計セールス枚数は3000万枚を超す。日本レコード大賞「大賞」(EXILE「Ti Amo」)など受賞歴多数。今年2月、初の書き下ろし長編小説『永遠の仮眠』(新潮社刊)を上梓した。
2021.05.04 16:00
NEWSポストセブン
宮本浩次、カバーアルバム発売に自信 魂を込めて歌い上げた
宮本浩次、カバーアルバム発売に自信 魂を込めて歌い上げた
 昭和を代表する懐かしい曲ばかりを収めた宮本浩次(54才)のカバーアルバム『ROMANCE』が11月18日にリリースされた。『あなた』『異邦人』『ジョニィへの伝言』『ロマンス』『赤いスイートピー』『木綿のハンカチーフ』などの鉄板ソングがズラリ。歌詞を大切に、そして七色のボイスを巧みに使い分けて歌う宮本ワールドを堪能できて感動しきりだ。「そう言ってもらえるとうれしいな。自分で言うのもなんですが、本当にいいカバーアルバムができたと思っています。一曲一曲を大切に、魂を込めて歌い上げた、なんて言うと手前味噌な感じに受け取る人もいるかもしれないけど、そういう意味じゃなくて、誰にとっても思い出の詰まった大切な歌ばかりだと思うので、心を込めて歌ってます。きっとみなさんに喜んでもらえるはずだと」(宮本・以下同) 開口一番、身振り、手振りを交えて早口で一気に語る。その一生懸命な姿が印象的だ。ライブもイベントも中止に。でも、自粛中は忙しかった 宮本は現在54才。日本を代表するロックバンド『エレファントカシマシ』のボーカルとして走り続けてきた。そんな彼がなぜ、いまカバーアルバムを作ったのか? その理由を知るには、少し前に時計の針を戻す必要がある。2017年にデビュー30周年を迎えた彼は、47都道府県でコンサートツアーを行い、NHK紅白歌合戦に初出場するなど華やかな一年を送った。「30周年はバンドにとって大きな節目でした。と同時に、私個人としてはひとつの区切りでもありました。これを機にソロ活動を開始したいと考えていたのですが、まさに計ったようなタイミングで、椎名林檎さん、東京スカパラダイスオーケストラというトップミュージシャンからコラボレーションの誘いを受けた。ソロとして、これ以上望めないというほど幸先のよい一歩を踏み出すことができたのです」(宮本・以下同) その後も、ドラマの主題歌を3曲、自身も出演したCMソングを3曲、映画の主題歌やドキュメンタリー番組の主題歌を手掛けたほか、高橋一生に楽曲を提供するなど、獅子奮迅の活躍を見せ、そのすべてが収録されたファースト・ソロアルバム『宮本、独歩。』が3月4日に発売に! と、この先も盛り上がりを見せるはずだった。だが、周知のように新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年のイベントやライブが次々に延期や中止となってしまう。「3月から4月にかけての初のソロライブを私も楽しみにしていましたが、結局、全公演が中止になってしまいました。といって四の五の言っても始まらないですし、苦しいのは自分だけではないですから……」 と、少しかみしめるように言葉を切り、話を続ける。「4月に入ってすぐ、緊急事態宣言が発令された頃には、いまできることをやろうって、気持ちを切り替えていましたね」 そうして、まず彼が始めたのは自身のインスタグラム『写真日記』に、写真付きで日記をアップすることだった。「あれはプロモーションであり、いつも応援してくれているファンのみなさんに喜んでもらえたらうれしいという気持ちの表れでした。実はもう1つ、バンドなしでどこまでできるのかという実験的な試みでもあったのですが、6月12日には『宮本浩次バースデイコンサートat作業場』と銘打った弾き語りライブを開催して生配信したのです。そんなこんなで、自粛中も忙しかったですね」号泣しながら歌い、心が浄化されるのを感じた 自粛中の忙しさの理由は、ほかにもあった。「もともとソロアルバムの次に、カバーアルバムを発売するという計画が動いてはいたのです。『あなた』と『恋人がサンタクロース』は、すでに昨年11月にレコーディングを終えていましたし。でも、それ以外に何を歌うかは決まっていなかったので、選曲しなくちゃいけなくて。 とはいえ膨大な数があるじゃない? 昭和の歌謡曲って。そこでまず、私が生まれた’66年からバンドデビューした1988年の間に絞り、その上で、気になる歌を1日1曲以上カバーしてみようと決めて、全部で150曲くらい歌ってみたのです」 ちなみに、初日に弾き語りをしたのは、GAROの『学生街の喫茶店』と『ジョニィへの伝言』『二人でお酒を』の3曲だった。「演歌もいいですよねぇ。『北の宿から』とか『夢追い酒』とか(と、ワンフレーズを歌い出す)。私が涙もろいせいなのか知らないけど、号泣しちゃったりして。だって歌謡曲って人生の縮図ですよ! “人生って儚いよね、どう考えても”とか、しみじみ思ってしまって……つまり心の琴線に触れまくりで、泣きながら浄化されるのを感じるという。結果として実にいい時間を過ごすことができました」 150曲の中からアルバムに収められたのは、わずか12曲。一体どのようにセレクトしたのだろうか。「それはなかなかに難しかったですね。自分だけでは決められなくて、周囲のスタッフとか友人とかに声をかけて、『あなたが一番好きな歌謡曲』を募ったのですが、見事なくらいバラバラで(笑い)。でも、みんな自分のドラマを彩る一曲を心の中で大切にしているってことがわかりました。とすると、やっぱり私自身が好きな歌を選ぶしかないということで、最終的には自分の声とも相談して、気持ちよく歌える歌を選んだのです」【プロフィール】宮本浩次(みやもとひろじ)/1966年6月12日生まれ、東京都出身。1981年『エレファントカシマシ』結成。1988年にデビュー。1996年『悲しみの果て』が大ヒット。2019年ソロ活動開始。椎名林檎と『獣ゆく細道』などを発表し、『NHK紅白歌合戦』に出場して話題に。2020年3月に初のソロアルバム『宮本、独歩。』が、11月18日に初のカバーアルバム『ROMANCE』が発売に。取材・文/丸山あかね 撮影/森浩司※女性セブン2020年12月3日号
2020.11.21 16:00
女性セブン
椎名林檎も読み込んだ命の尊さを訴える一冊(時事通信フォト)
椎名林檎も共感、我が子の障害を受け入れる人々を描く本
『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』(小学館)、『発達障害に生まれて―自閉症児と母の17年』(中央公論新社)など多くのノンフィクション作品を世に送り出し、小学館ノンフィクション大賞も受賞している小児外科医の松永正訓さんが、この10月に上梓したのは『いのちは輝く わが子の障害を受け入れるとき』(中央公論新社)。 2017年10月から今年4月まで読売新聞の医療サイト『ヨミドクター』で隔週連載された「いのちは輝く」に加筆・再構成したものだ。「書く内容は、連載が始まる前に決めていました。1年半を費やして、ひとつの世界観を発信できたと思います。それは“命を巡る価値観”。個々人が命をどのように捉えているかをあぶり出す。そういう作品に仕上がっています」(松永さん・以下同) 反響はすさまじく、読売新聞オンライン史上最高の1億900万PVを記録した。「連載終了後に、PV数が1億超えと聞き、驚きとともに子どもの障害への関心の高さを実感しました」 有名人も反応した。本作品の帯には、「この世に生を受けた誰しもに関わってくれるやさしい哲学書です」 という一文があるが、これはシンガーソングライターの椎名林檎から寄せられた文章だ。 今年6月に放送されたNHK『SONGS』では、彼女の日常の出来事が日記形式で公開された。そこには、《2017年11月某日 小児外科の松永正訓先生による記事。今回は私と同じ先天性奇形・食道閉鎖で生まれた子についての議題。この赤ちゃんには口唇口蓋裂も見付かり、どうも親御さんはそちらのほうを憂いて、食道閉鎖の手術へ同意なさらなかったらしい。赤ちゃんは時間切れでじき餓死。 松永先生は文中「21世紀の現代にこんなことがあってもいいのか」とおっしゃっている。確かに。しかし同時に今の時代だからこそ起こった出来事のようにも思える。》 とあった。椎名は先天性食道閉鎖症という病気を抱えて生まれてきたため、生後まもなく手術を受けている。そんな彼女からの手紙を、松永さんは出版社を通して受け取ったという。「椎名さんは食道閉鎖の赤ちゃんの話を読んで、当時の自分の病気について母親と話す機会を持てたようでした」 また、彼女は松永さんの『ヨミドクター』の記事を読んでは、友人と議論することもたびたびあったという。小児外科医の最優先事項は子どもの救命だ。「手術で命が助かり、経過が順調な子について、医者は長期のケアは行いません。次の患者さんが待っているのです。しかし、患者さんにとっては一生抱えていくものだ、と椎名さんの手紙によって改めて考えさせられました。自分が先天性の疾患をもって生まれてきた意味や、親はどれだけ心配したのか。何十年たっても、すべてを忘れられるものではないのだと」 椎名が日記に書き留めたエピソードは『ヨミドクター』読者からの反響も大きかった。 その赤ちゃんは、先天性食道閉鎖症だけではなく、上唇が鼻まで裂けている、口唇口蓋裂という奇形もあった。家族はその顔を受け入れられず、手術を拒んだ。食道が閉じたまま、栄養が補給できない赤ちゃんは餓死した。「本には『この時代にこんなことがあっていいのか』と書きました。僕が医者になったのは昭和62年。悲しい話だけれど、当時は先天性の重い病気をもって生まれてきた赤ちゃんの命を救う行為は無駄な延命であり、助ける方が残酷という考えもありました」 しかし、時代とともにそうした風潮は変わっていった。「椎名さんは『今の時代だからこそ起こった出来事にも思える』と言う。少子化の時代、完璧な状態で生まれてくる赤ちゃんを望む親が昔より増えているのかもしれません」※女性セブン2019年12月19日号
2019.12.06 07:00
女性セブン
何もしない旦那との離婚を考えたと振り返る声は多数(写真/アフロ)
10連休トラブル集、殺意・離婚危機や「BBQ最悪」の声も
 平成から令和への改元もあり、10連休となった今年のゴールデンウイーク。家庭内では想定外の事態が勃発していた。なかでも多かったのは、「休めるどころか、地獄だった」という主婦の嘆きである。「連休中は家族が起きる時間がバラバラで、娘の朝食が終わってしばらくしたら夫の朝食、またしばらくしたら娘の昼食、それから今度は夫の昼食…と、ご飯の用意ばかり。こっちは外食で息抜きしたいのに、夫は“連休中は混んでるだろ”と涼しい顔。食事の後、片づけもせずにソファでごろ寝する姿に、殺意さえ覚えました」(40代主婦) 離婚の2文字が頭をよぎったという人も多数いた。「家のBGM権は当然のように夫に。しかも聴く曲が椎名林檎とあいみょん。あいみょんなんてどこで覚えてきたのか。結婚した頃からそんなの聴いたこともなかったですから。しかもトイレに行くには必ずスマホを片手に。一回入ると、20分は出て来ない。不倫を疑ってしまった。 家のことをしてくれとは言わないけど、10日間もそんな姿を見ていてこの人と暮らしたくないな、とじわじわ感じてしまった」(40代主婦) 夫の生活力の低さに辟易としたのは50代の主婦。「宅配便を受け取るのにやれ印鑑はどこだ、宅配便を出すのに電話してくれ、レストラン予約も外出先の営業時間を調べるのも全部私。普段、夫が忙しい時にはもちろん私がやりますよ。でも、休みでも全部聞いてくるし、頼んでくる。この人、こんなに能力低くて本当に仕事できるのかしらと妙に冷めた気分に。お店くらい自分でチャッチャと探して予約してくれよ!」 続く外出で亀裂が入った夫婦も。「遊園地に行っても3才の子供と楽しむどころか、いつもスマホ画面をチェック。並んでおくよと言って、気を利かせたふりして、1人でスマホゲームをしている姿にガッカリ。子供と公園に行けば2時間ももたずに『この後どうする?』と。そのくせ、自分の仲間と釣りにはしっかり準備して行ってしまう。ああこの人、自分の子供と楽しんで遊べないんだと思うと、この先の結婚生活を続ける意味を見失いましたね」(30代主婦) 長すぎる休みは、ご近所トラブルやママ友関係に思わぬ危機も招いていた。「お隣が目覚ましをセットしたまま旅行に行っちゃって、毎朝6時にジリジリとはじまり10分以上鳴ってるんです。本当に勘弁してほしい。戻っていらした時に、目覚ましかけっぱなしでしたよ、と軽く伝えたつもりが、明らかに不機嫌に。お土産をおしつけるように渡していきました。以来、よそよそしくなってしまった」(60代主婦) 遠出を避けて近くの公園に遊びに出かけるママたちは、子供でへとへと、ママ友にへとへと…。「とにかく子供に何かしらイベントをやらせなければ、宿題の日記も書けやしない。海外やリゾートなど旅行に行ける家はいいですけど、日記の宿題は庶民には酷でした。 子供たちのお土産交換も本当にやめて欲しい。ハワイのお土産をくばっていた家があったんですが、他のママは“休みにハワイなんて子供のためにはどうかしら…”とよくわからない陰口を言うし。正解は地方の実家に帰省なんでしょうけど、うちは両方東京だし。本当に精神がすり減りました」(40代主婦) キャンプやBBQという言葉を二度と聞きたくないという主婦も。「なんで5月で連休だとキャンプ? BBQ? しかも子供のママ・パパ仲間となんて最悪です…。パパたちは飲みながら談笑していればいいけど、準備も大変、洗い物も大変なのは私たち。しかもあのママを誘い忘れたとか、あっちのBBQには誘ってもらえなかったとか余計な気ばかり使ってしまった。実際、近所の公園でBBQをやっているところを誘い忘れた家族に見られてしまい、気まずすぎます」(30代主婦) 想定外続きの事態に、連休の折り返し時点でSNS上には悲鳴が殺到。ツイッターには「#10連休いらない」のハッシュタグが登場した。※女性セブン2019年5月23日号
2019.05.10 07:00
女性セブン
安室奈美恵さんが明かした小室さんの言葉と“あゆの活躍”
安室奈美恵さんが明かした小室さんの言葉と“あゆの活躍”
 引退から4か月、安室奈美恵さん(41才)が再びテレビに出演し、大きな話題を呼んでいる。「放送されたのは引退直前のロングインタビューです。今回のために昨年8月に収録していたそうです」(音楽関係者) 1月20日、『NHKスペシャル 平成史スクープドキュメント 第4回「安室奈美恵 最後の告白」』が放送された。安室さんは「25年間を振り返るっていう、自分ではそういう作業はできなかった」ため、最後にきちんと話をしようと考えインタビューに応じたという。「小室哲哉さん(60才)とのタッグから産休中の不安、引退を決断した本当の理由まで、安室さんが本音を語っていたので、ファンならずとも驚かされました」(芸能関係者) 安室さんが小室さんとタッグを組んだのは、デビューから3年がたった1995年。第1弾『Body Feels EXIT』に始まり『CAN YOU CELEBRATE?』など次々にヒットを飛ばした。当時の気持ちを安室さんはこう話した。「次はこれを出します、次はこれを出しますとレールが敷かれていたので、(中略)脱線しちゃいけないというので必死だったかな」 絶頂期の苦悩も語った。1997年には結婚と妊娠を発表し、1年間産休をとった。「なんで私は焦っているんだろうか? 焦りを通り越した時にふと自分を一歩引いたところで見ることができて(中略)私って、どういうふうに見られているのかなというのを冷静にキャッチできるようになった。安室奈美恵は今後、どうしたらいいかというのを、ちょっとずつ考え始めた時期だった」 1998年は多くの女性アーティストがデビューした。浜崎あゆみ(40才)、椎名林檎(40才)、aiko(43才)、宇多田ヒカル(36才)。特に浜崎は年齢も近く、歌姫として比較されることも多かった。「名前こそ出しませんでしたが、今回のインタビューで、安室さんはあゆや宇多田さんの活躍に焦った当時の胸中を語っていました。ここまで率直に明かしたのは過去にほとんどなかった」(前出・芸能関係者) 復帰後、安室さんは小室さんとタッグを解消。袂を分かったが、たまたま同じイベントに出演した際、楽屋挨拶に行った安室さんに小室さんは優しく「すごいね、頑張ってるね」「奈美恵ちゃんは今の奈美恵ちゃんのままで」と声をかけたという。 引退のきっかけとして、7年前に歌手の生命線ともいえる声帯を壊していたことも初めて明かした。「いい状態の安室奈美恵を思い出として残してほしい」と決意したという。 60分のインタビューは見ていてあっという間だった。また安室さんの生声を聞きたい。※女性セブン2019年2月7日号
2019.01.27 07:00
女性セブン
平成最後!第69回NHK紅白歌合戦の出演者が決定
平成最後!第69回NHK紅白歌合戦の出演者が決定
2018年12月31日に放送される「第69回NHK紅白歌合戦」の出演歌手42組が発表されました。https://twitter.com/nhk_musicjp/status/10625605664667525122020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて今年も“夢を歌おう”がテーマになっています。紅組にあいみょんさん、DAOKOさん、白組にKing & Prince、Suchmos、純烈さん、YOSHIKI feat. HYDEさんが初登場します。また、特別企画として“椎名林檎さんと宮本浩次さん”によるステージも決定し宮本さんは初のソロ出場となります。総合司会はお笑い芸人の内村光良さん、NHKアナウンサーの桑子真帆さんが務め、紅組司会は女優でモデルの広瀬すずさん、白組司会は嵐の櫻井翔さんが務めることが決定しました。アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」に登場する架空の9人組女性スクールアイドルグループ“Aqours(アクア)“と人気ゲーム「刀剣乱舞」から生まれた2.5次元ミュージカル“刀剣男士”が出演する企画コーナーも発表されました。
2018.11.14 07:06
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123枚目シングルの石川さゆり、好奇心に素直に反応する極意
123枚目シングルの石川さゆり、好奇心に素直に反応する極意
「私ね、123という数字の並びがとても好きなの。個人事務所をスタートしたのが1月23日でしたし、“いち・にの・さーん!”って、響きがとっても軽やかでしょう。そんなふうに前へジャンプしていけたらいいなって」 123枚目のシングル『花が咲いている』をリリースした石川さゆり(60)は、スキップするような弾んだ口調で新譜について語り始めた。昨年歌手生活45周年を越え、新たな歩みを刻んでいる。「45年にもなると、こんなにたくさんの歌を作って歌わせてもらえるんですね。デビューした頃はオイルショックの前で『塩化ビニールがなくなるので売れないレコードは作りません』と聞かされて、『うわぁ、売れないと私のレコードも出してもらえなくなっちゃう!』とドキドキして(笑い)。 ありがたいことに5年目に『津軽海峡・冬景色』と出会えて、そこから1枚1枚重ねてここまできました。コツコツと、5から10へ飛んだりせずに、1の次は2、2の次は3、4、5……とね」 表題曲はいきものがかりの水野良樹が作詞作曲を手掛ける。演歌とJ-POPの異色コラボにも感じられるが、それもまた1枚1枚重ねてきた中での自然な流れだったのだという。「吉岡治さんや阿久悠さんなど素敵な先生方に詞やメロディをもらってきたけれど、35周年を超えたあたりから皆さん天国へ旅立たれた。 歌い手をずっとやってきて、表現者であってもシンガーソングライターではない自分はこの先どうしよう、もう歌う歌はないんじゃないかと、不安が押し寄せたんです。でも吉岡先生の奥様に『そんなことを言ってもパパの詞は2度と生まれないんだから、新しい出会いをしなくちゃ』と言われてハッとしました」 石川は「今後は自分が学んだ歌の作り方や伝え方を次世代へ引き継ぐことが、おやくめなのではないか」と考え、そこからコラボアルバム『X-Cross-』シリーズなどを通じて、椎名林檎やコブクロの小渕健太郎など様々なアーティストと楽曲を制作。新譜は音楽プロデュース担当の亀田誠治が「色々な言葉を伝えようと熱意を持った若い世代を紹介したい」と、水野らとの縁を取り持った。「『花が咲いている』は聴いた人にそっと寄り添う歌で、“絶対に大丈夫”とは言わないんだけど、『きっと大丈夫、みんな大丈夫』と温かく背中を押してくれるんです。自分もそういうふうに過ごしていけたらいいし、そう声をかけたい。これが日本人の心であり、言葉なのかなと沁みました。 こうして歌を作るのも届けるのも、人との繋がりがあってこそ。この歳になってみて一生の中でどれほどの人たちと、どんな出会いが生まれるんだろうと考えるんです。そんな想いを大事にしながら歌ってみるのも面白いと感じています」 2008年のマリナーズ時代から『天城越え』を登場曲に使うイチローとの交流など、楽曲を通じて広い人脈を持つ。「音楽や歌はどんな人とも繋げてくれる。震災を境に東北の皆さんと交流を持っているのですが、つい10日ほど前にも高台に街ができたと電話をくださったんです。『復興した生活を見てほしい。さゆりさんの歌をゆっくり聴きたい』なんて聞くと、これが歌の繋がりなのかと。歌を届けられることが純粋に嬉しい、幸せだなと感じますね」 46年目も変わらず、1歩1歩をかみしめながら日々を重ねている。「その時々でいちばん元気に楽しくいたいんです。年齢を重ねるとあの時はよかったと過去話が多くなるけれど、『今が楽しい!』を重ねて、ふっと楽しい人生だったと振り返りたい」 心のままに人生を楽しむ。洋服が好きだと語り、型にはまらず多様なスタイルに身を包む。取材中も特徴的な形や色の私服が印象深かったが、とりわけ初顔合わせの日に『Sex PISTOLS』のロゴが胸に入ったパンクなシャツを着ていたのは衝撃だった。「ふふ、そう?(笑い)あの日は収録でハードな歌を歌ったので、そういう気分だったの。“その時の私”を表現するのが服なので、ギャルソンや(山本)耀司さんを着る日もあればヴィンテージを着ることもあります。 ネットではなくお店で手に取って気に入ったものを買う主義だけど、古着屋さんは少し苦手かな。石川、前世は犬だったんじゃないかと思うくらい鼻がきくので(笑い)、香りに敏感なんです」 そう言うと卓上にあったクッキーを手に取り、「いけないと思いつつ、こうやって興味ある物は嗅いじゃうの」と肩をすくめた。さりげない行動だったが、湧き出す好奇心に素直に反応する姿に、過ぎ行く瞬間を思い切り味わう石川流の人生の極意を見た気がした。■撮影/渡辺達生、取材・文/渡部美也※週刊ポスト2018年8月31日号
2018.08.22 07:00
週刊ポスト
NEWSポストセブン
梨園の常識は世の非常識 歌舞伎役者は艶聞に事欠かない
 中村橋之助(51)と京都の芸妓・市さよとの不倫が発覚したが、時代は現代に移り変わっても、歌舞伎役者たちは艶聞に事欠かない。市川海老蔵(38)は、いまでこそ乳がんと闘う妻・小林麻央を献身的に支える夫のイメージが強いが、結婚前は米倉涼子に始まり、佐藤江梨子、高岡早紀ら名だたる美女との熱愛が報じられた。 今年、藤原紀香と結婚した片岡愛之助(44)も故・つかこうへいの娘である愛原実花や熊切あさみとの交際で世を賑わした。 2012年に57歳の若さで急逝した中村勘三郎は歌舞伎界きっての艶福家で知られ、若かりし日の故・太地喜和子から始まり、大竹しのぶ、宮沢りえ、椎名林檎、石川さゆりと亡くなるまで浮いた噂が消えることはなかった。 一方でトラブルも少なくない。市川猿翁(76)は初恋の相手だった故・藤間紫のことが忘れられず、妻の浜木綿子と、まだわずか1歳だった息子・香川照之を置いて出奔する。この親子が雪解けするまでには45年の歳月を要した。 故・坂東三津五郎は寿ひずるとの婚姻中に近藤サトと不倫が発覚。三津五郎は泥沼の離婚協議を経て近藤と再婚したものの、一門や家族の大反対にあいわずか1年7か月で離婚した。 竹内結子と“デキちゃった婚”をした中村獅童(44)は結婚2年目に飲酒運転と信号無視で書類送検された。このとき、助手席に乗っていたのが元カノの女優・Aだった。この事件をきっかけに竹内と離婚した。 前述した通り、華やかな女性遍歴を持つ勘三郎も唯一暗い影を落としたのが、宮沢りえとの関係だった。不倫疑惑が浮上した際、勘三郎は「不倫ではなく可倫だ」という迷言を残した。 歌舞伎役者には“血を守る”という使命もあるためなのか、「隠し子」が存在した役者も多い。 1997年、市川染五郎(43)は6歳年上の元女優との間に隠し子がいたことが発覚。2003年には海老蔵も隠し子の存在が明らかになる。大河ドラマ主演中だっただけに大騒動となった。また2011年には愛之助も京都のホステスとの間に男子をもうけていたことが報じられた。 隠し子の存在も仰天だが、それ以上に世間を驚かせたのが、彼らの浮き世離れした発言だった。海老蔵は「子供の頃から歌舞伎の世界におりまして、これが普通だと思っておりました」と平然と言い放ち、愛之助は「世間一般でもあること。職業柄、大きく取り上げられるだけ」と悪びれるそぶりもなかった。 これぞまさに「梨園の常識は世間の非常識」なのか。 こんなエピソードもある。2002年、人間国宝・坂田藤十郎(84)は50歳年下の舞妓との不倫発覚と同時に、“開チン”写真が流出した際の釈明会見で「お恥ずかしいなぁ~。私が元気だと証明するみたいで」「世の男性方にも頑張ってもらいたいね」と、ケロッと話した。 一般社会であれば、「不倫」「隠し子」などは、社会的に抹殺されかねない大問題であるが、歌舞伎の世界では「日常」なのだ。※週刊ポスト2016年10月7日号
2016.09.28 16:00
週刊ポスト
イチロー 知られざる「素顔」まとめ by NEWSポストセブン
イチロー 知られざる「素顔」まとめ by NEWSポストセブン
 2016年8月8日(現地時間8月7日)、メジャーリーグ(MLB)マイアミ・マーリンズ所属のイチロー選手(42)が、メジャー史上30人目の3000安打を達成した。6月16日には日米通算で4257安打を打ち、ピート・ローズの持つMLB通算最多安打記録を更新したイチロー。その知られざる「素顔」に迫った。(2016年8月9日更新)プレーに関する流儀毎日、寸分たがわぬルーティン 毎日、寸分たがわぬルーティンを行うのがイチ流。試合が本拠地で開催される日は、起床後、自宅に揃えたトレーニングマシンで汗を流してから球場入り。練習用のウエアに着替えて、ウオーミングアップ。試合では、打席に入る前、バッティングまでの一連の動作はおなじみだ。「試合後にはロッカールームでスパイクとグラブを磨きます。帰宅後は、食事までの時間を使ってマシントレーニング。食後もまたトレーニングをして、その後、2時間かけて全身をマッサージ。すべては試合で力を発揮するためです」(スポーツライター・友成那智さん)ホームランを打ってもガッツポーズはしない 試合中、イチローの表情が変わることはほとんどない。それは最多安打記録を更新したときも同じ。「ホームランを打ってもガッツポーズはしません。相手投手に敬意を払っているからでしょう」(友成さん)不振時は球場入りルートを変えゲン担ぎ ゲン担ぎをするスポーツ選手が多いが、ルーティーンを厳守するイチローは、ほとんど行わない。するのは、バッティングが不振のとき、球場まで向かう車のルートをわずかに変えたり、車内でのBGMを変えたりする程度だ。「スランプ大歓迎」驚異のメンタル力「彼がここまでヒットを量産できたのは“スランプの時こそ絶好調”という考え方をしているからです。もし5打数5安打では、そこから得るものはない。でも、5打数ノーヒットなら、どうしたら打てるかを考え抜くので、頭が冴えわたるというわけです。スランプこそ成長のきっかけと考え、その原因を突き止めて脱出を図る。それを繰り返してきた結果が、この大記録だと思います」(メンタルカウンセラー・児玉光雄さん)メディアに関する流儀取材での日本語は自分の発言を正確に伝えるため イチローは地元メディアの取材に対しても常に日本語を話す。大リーグにわたって16年目、英語はかなり上達していそうなものだが。「日本語で通しているのは、“自分の発言を正確に伝えたいから”です。実際には英語は堪能。チームメートとの会話ではスラングを使ってジョークを飛ばすほどです」(スポーツライター・友成那智さん)記者にもプロの仕事を求める 記者を育てるのも選手の仕事。そう考えるイチローは、レベルの低い質問には「質問の意味がわかりません」とぴしゃりとはねつけるため、記者泣かせともいわれる。「メジャーに移籍してからは、ロッカールームには質問がある記者だけが行くようになりました。ベテランの通信社の記者が“代表取材”をしていた時期もあります。取材のプロだけを相手にしたいという、野球のプロであるイチローらしい考えといえます」(メジャー担当記者)プレーに影響を与えるので野球のニュースは一切見ない いい当たりを放ちながらヒットにならなかったことに「第三者の厳しい目で見てもらったらいい」と、舛添要一前都知事の言葉を踏まえてコメントしたこともあるイチロー。日本のニュースに関心が高い。「最近はロッカールームで、iPadで日本のニュースをチェックしています。経済ニュースにも関心を持っている。ただし、プレーに影響を与えるため自分に関するものを含め、野球のニュースは一切、見ないそうです」(在米ジャーナリスト)食事へのこだわり毎朝、食パンとそうめんを食べる試合前のユンケルは欠かさない 朝カレーはやめても、続けているのが試合前のユンケル。「ユンケルを販売する佐藤製薬のCMに出続けているのは有名ですが、義理堅く続けているのもイチローらしいと言えます」(スポーツライター・友成那智さん)ビール好きで、シーズン中も“解禁” イチローはメジャーに移籍してから数年間、お酒はシーズンオフにしか飲まない生活を送ってきた。しかし最近は、晩酌を解禁。主にビールを飲み、ワインも好むという。使う物へのこだわりジュラルミンのバットケースには乾燥剤 昨年マーリンズに移籍したイチローが周囲を驚かせたのは、ジュラルミン製のバットケース。「“湿気を吸うとバットの重さが変わってしまうから”と、乾燥剤を入れて使っています。そのこだわりに、記者はもちろん同僚選手も驚いています」(スポーツライター・友成那智さん)マーリンズ移籍を機にスパイクを変更 イチローはオリックス時代からアシックスのスパイクを愛用してきた。しかしマーリンズ移籍を機に、「ビモロ」という無名メーカーに履き替えたのだ。「『ビモロ』は『初動負荷トレーニング』という理論を唱えるスポーツトレーナー・小山裕史氏が作ったシューズブランド。小山氏はイチローのトレーニングを長年バックアップしてきた人物で、彼のスパイクにイチローはすっかり惚れ込んでしまった。踵から爪先への体重移動をスムーズにする工夫が施されていて、一般的なスパイクの歯は6本から9本ですが、『ビモロ』は13本もあるのが特徴です」(スポーツ紙メジャー番記者)遠征先には“マイ枕”、足裏マッサージ器持参 体のコンディションに人一倍気を使うイチローは、遠征先には“マイ枕”を持参する。「いつもと違う枕で寝て、首に負担をかけたくないからです。足裏マッサージ器も常に持ち込んでいます」(在米ジャーナリスト)イチローの私生活愛車は5000万円超のポルシェ 野球が趣味というイチローにあって、唯一の趣味といえるのが車の運転。「日産のスカイラインなど複数の車を持っていますが、球場への行き帰りに使っているのはポルシェ。5000万円以上する車種です」(メジャー担当記者)愛車の中でよく聴くのは『いきものがかり』野球にはストイックなイチローも、野球以外では音楽を聴いてリラックスする。「基本的にはJ-POPです。以前は愛車の中でザ・ブルーハーツをよく聴いていましたが、数年前からサザンやミスチルも。最近はいきものがかりも聴いています」(メジャー担当記者)『白い巨塔』『すべらない話』が大好き ドラマ『古畑任三郎』にゲスト出演したことのあるイチローは大のドラマ好き。お気に入りは『白い巨塔』で、目的のためには手段を選ばない主人公・財前教授に惹かれるという。また、バラエティーは『人志松本のすべらない話』をDVDで見ている。雑誌のインタビューではかつて松本人志を「とんでもない才能の持ち主」と絶賛していた。
2016.08.09 07:00
NEWSポストセブン
カバー続々『木綿のハンカチーフ』は太田裕美の手離れた
カバー続々『木綿のハンカチーフ』は太田裕美の手離れた
 まずは、ランキングを見てほしい。『ザ・ベストテン』(TBS系・1978年1月~1989年9月)が最高視聴率を記録した日のベスト10 【1】ハイスクールララバイ/イモ欽トリオ【2】白いパラソル/松田聖子【3】悲しみ2(トゥー)ヤング/田原俊彦【4】守ってあげたい/松任谷由実【5】もしもピアノが弾けたなら/西田敏行【6】まちぶせ/石川ひとみ【7】みちのくひとり旅/山本譲二【8】もういちど思春期/郷ひろみ【9】メモリーグラス/堀江淳【10】ブルージーンズメモリー/近藤真彦  このランキングは、歌番組『ザ・ベストテン』、1981年9月17日放送時のランキングだ。この後、長きにわたって音楽シーンを牽引していく歌手たちが綺羅星のごとく並んだこの日、番組は歴代の最高平均視聴率41.9%を記録した。当日見ていたという人、そして今でも全曲口ずさめる、という人も少なくないだろう。  1980年代前半といえば、バブル景気前夜。日本が経済大国への階段をのぼっていたその時期に、テレビを彩っていたのが歌番組だ。「なめ猫」がブームとなり、『窓ぎわのトットちゃん』がベストセラーとなったこの年のNHK紅白歌合戦の平均視聴率は74.9%。トップバッターを、前年にデビューした河合奈保子(52才)と近藤真彦(51才)が務めるなど、誰もが新しい時代の到来を感じていた。  私たちが今、懐かしさとともに口にする「歌謡曲」。実はその定義はあいまいで、ロックのように曲調に、民謡のように歌い手に共通点があるわけでもない多彩な曲が“歌謡曲”としてくくられる。 『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)の著者で音楽ジャーナリストの宇野維正さんはその不思議な歌謡曲を「テレビやラジオといったメディアを通じて、幅広い世代の老若男女に聴かれる流行歌のことです」と説明する。 「その共通点は、作詞作曲は専業の作家が行っていて、それを歌手が歌っているということ。それが、歌謡曲です」  その歌謡曲が最近、当時の輝きを知る人の間では再びのブームとなり、若い人にとっては新鮮なものとして捉えられている。  いきものがかり、May J.、椎名林檎、桑田佳祐…年齢もジャンルも異なる錚々たるアーティストが、ある大ヒット歌謡曲をカバーしている。1975年に太田裕美(61才)が歌った『木綿のハンカチーフ』だ。作詞は松本隆、作曲は筒美京平という歌謡曲のゴールデンコンビが作ったこの歌は、これまでに60名以上の歌い手にカバーされている。 「この曲はすでに、太田裕美の手を離れていると感じます」  そう話すのは、太田自身だ。 「今でもこの歌を好きだと言ってくださる人は多いですし、若いかたの中にもこの歌だけはカラオケで歌えるという人がいるんです」  この5月、原田知世(48才)が新たにこの曲をカバーした。『木綿のハンカチーフ』も収録されたアルバム『恋愛小説2~若葉のころ』は、オリコン週間ランキング4位(5月23日付)となり、話題を呼んでいる。「原田のアルバムがトップ10入りしたのは18年8か月ぶりです。原田と同じ世代の40、50代で、アルバムでカバーした1970~1980年代の歌謡曲に懐かしさを感じている人もいらっしゃいますし、原曲を知らない若い世代のかたにも買っていただいています」(ユニバーサルミュージックのアルバム制作担当者) 歌謡曲回帰の動きはまだまだ続きそうだ。桑田佳祐(60才)が6月25日に「偉大なる歌謡曲に感謝」と題して番組を放送。巷でもタワーレコード新宿店はすでに人気の1980年代のアイドル歌謡曲コーナーをさらに拡張する予定だという。 2016年を生きる私たちは、ますます当時胸を熱くした歌謡曲に心魅せられることになりそうだ。※女性セブン2016年6月9・16日号
2016.06.06 07:00
女性セブン
【著者に訊け】4人の歌姫に迫る『1998年の宇多田ヒカル』
【著者に訊け】4人の歌姫に迫る『1998年の宇多田ヒカル』
【著者に訊け】宇野維正氏『1998年の宇多田ヒカル』/新潮新書/740円+税 話題の新書『1998年の宇多田ヒカル』を読んで、目下ネットで「凄すぎる!」と評判だという『宇多田ヒカルのうた』所収の1曲、浜崎あゆみのカバー&解釈による『Movin’on without you』を聴いてみた。確かに凄い。彼女の声はこの時、この人でなければ表現しえない生き様や関係すら感じさせ、思わず涙がこぼれるほど心が震えた。 実は宇多田と浜崎、椎名林檎もaikoも、デビューは1998年。著者・宇野維正氏はこの、〈日本の音楽業界史上最高のCD売り上げを記録した〉〈特別な年〉を補助線に、彼女たちが18年後の今なお君臨する日本の音楽シーンに論考を試みる。1996年にロッキング・オンに入社以来、音楽や映画批評の世界で活躍する宇野氏が、なぜ今、Jポップなのか?「『はっぴいえんど史観』という言葉もあるのですが、はっぴいえんどこそが日本のロック、そして現代的なポップスの原点だとよく言われている。それに続いて、最近はYMO史観や〈渋谷系〉史観のような言説まで出てきた。 でも、それらは都市に住むインテリ層の音楽ファンの文脈に過ぎず、一方で、ビーイング系やビジュアル系や小室哲哉プロデュース作品など、地方のヤンキー的な文脈の中でその何倍も売れてきた音楽がたくさんあったわけです。 1990年代末、宇多田さんと椎名さんとaikoさんの3人は、そんな都市と地方、インテリとヤンキーの境界を軽く飛び越えていった。その歴史的意義は、1970年代の松任谷由実、中島みゆき、竹内まりやの系譜に直接繋げるのではなく、そこに松田聖子、中森明菜、小泉今日子といった1980年代アイドルを挟んで語るべきだと思ったんです。 現在のヒットチャートは、AKB系とEXILE系とジャニーズにほぼ独占されています。1998年以降、この3人を駆逐する才能が現われず、日本の音楽シーンは更新されていない。そのことへの失望が、この本を書かせたと言ってもいいかもしれません」 その1998年、日本では4億5717万枚のCDが売れ、日本人は1人当たり世界一CDを買っていた国民だった。その背景にはレコード会社の大半が音響メーカー傘下にある世界的に稀な〈ハードとソフトの供給元が一体となった環境〉と、〈CDは半永久的に劣化しない〉という定説があった。 旧譜の再CD化で〈「現在の音楽」と「過去の音楽」が等価〉となり、SMAPが音楽シーンの最前線にいるシンガーソングライターを起用していったように「メイン←→サブ」の相互交流も進む中、面白いのは〈アーティスト〉という切り口だ。 松田聖子や〈花の82年組〉の登場で隆盛を極めたアイドル界も、1985年にスタートした『夕やけニャンニャン』や翌年の岡田有希子の自殺を節目に〈脱アイドル化〉が図られていく。実は日本でアーティストという呼称が使われ始めたのは、〈「アイドル」というレッテルから意識的/無意識的に抜け出そうとする「女性歌手」の周辺であった〉という。「結局、男も女も魅力的な容姿と声は不可欠な要素で、『俺は椎名林檎の音楽だけが好き』なんていう人は絶対ウソつきだと思う(笑い)。1998年組の女性シンガーが男女両方から広く支持された背景には、その前の小室ブームが同性からの支持に偏りすぎていたことへの反動がありました」 小室ブーム自体は1993年に始まるが、それ以前の楽曲提供先はまさに〈アイドル名鑑状態〉。その中で同性の取り込みや〈B級アイドルを歌姫として再生させる〉システムを確立し、〈「アイドル」と「アーティスト」の綱引き〉に終止符を打ったのも小室だ。が、やがてそのシステムも制度疲労を来し、元々活況だったCD市場の〈エアポケット〉に、奇跡の1998年組が登場する。◆何もやらされていないからブレない 本書では3章以降、それぞれのブレイクに至る足跡や音楽性を比較分析。街で『Automatic』がかかるたびに友達と喜び合った高校生・宇多田ヒカルの日常が奪われる様子や、かつて同じ舞台にも立った宇多田と椎名の、今もって〈ヒカルちん〉〈ユミちん〉と互いを思い合う絆。高校時代のコンテストでaikoに敗れた椎名が、実はデビュー当初から〈職業作曲家〉志向を口にしていたことなど、各々が違いを認めながらも固く結ばれていたことが分かる。「たぶん彼女たちは相手の才能を僕ら凡人にはわからない次元で感知していて、互いの才能への信頼とテリトリー意識があると思う。特にこの3人は全員が個人事務所を設立し、何もやらされていないから、ブレないんです」 一方、エイベックス社が巨額の資金を投じた浜崎の場合、事情は少々異なる。氏は第6章「浜崎あゆみは負けない」で〈日本のマイケル・ジャクソンとしての〉その苦悩を綴り、自身初のベストアルバム『A BEST』の発売日を、大人の事情で宇多田のセカンドアルバムの発売日にぶつけられた浜崎が、15年後に宇多田の『Movin’on without you』をカバーして借りを返した意味に思いを馳せるのだ。「発売日の2001年3月28日は日本で最もCDが売れた日で、初週に宇多田さんが300万枚、浜崎さんが287万枚と、物凄い次元で競い合った。ただ、今の音楽が低調なのは自分たちが流行を作れると勘違いした業界の責任で、現にエイベックスが浜崎さんで稼いだ金で売り出したgirl next doorもICONIQも結果は惨憺たるものだった。幾らタイアップをとろうと売れないものは売れない。ネット時代の大衆は良くも悪くも、事情通ですから」 視聴環境がネット配信や動画サイトに移り、コンテンツへの対価意識が薄れていることにも原因はあろう。「でも、ここまで音楽シーンが更新されないのは日本だけ。全米で最も売れているリアーナがサムスンと契約して客ではなく企業から金をとるシステムを確立したように、優れたアーティストほど経営感覚も併せ持つ今、イイ音楽さえ作ればいいという正義は、もはや通用しません。 この春、宇多田さんは朝ドラという超ド真ん中のタイアップで復帰しますが、アルバムは別として、シングルのCDはもう出さないかもしれない。もしそうなったら、握手券でお茶を濁してきた日本の音楽業界の〈延命装置〉が、外されることになる気がします」 そうした事情を追認してきた音楽ジャーナリズムへの自戒もこめて本書を書いた宇野氏。それは適切な歴史認識と愛情に基づいた批評空間を取り戻す行為でもあった。【著者プロフィール】宇野維正(うの・これまさ):1970年東京生まれ。上智大学文学部卒。映画館勤務を経て、1996年に株式会社ロッキング・オンに入社。『ロッキング・オン・ジャパン』『CUT』などの編集部を経て、株式会社FACTで『MUSICA』の創刊にたずさわる。現在は、主に音楽批評や映画批評の分野で活躍。映画サイト『リアルサウンド映画部』主筆。本書が初著書。「宇多田さんや椎名さんにはインタビュー経験もありますが、しがらみは極力排除して本音で書きました」。173cm、79kg、O型。(構成/橋本紀子)※週刊ポスト2016年3月11日号
2016.03.02 16:00
週刊ポスト
【著者に訊け】樋口毅宏新作『ドルフィン・ソングを救え!』
【著者に訊け】樋口毅宏新作『ドルフィン・ソングを救え!』
【著者に訊け】樋口毅宏氏『ドルフィン・ソングを救え!』/マガジンハウス/1300円+税〈愛があればオマージュ。なければただのパクリ〉『民宿雪国』や『テロルのすべて』、『タモリ論』等々、樋口毅宏氏(44)の作風にも通じる、まさに至言だ。「もしくは元ネタがバレると困るのがただのコピペ、逆にバレてくれないと困るのが、僕の小説ですね」 最新作『ドルフィン・ソングを救え!』では、その高い音楽性やファッション全てが若者から支持された伝説のユニット、その名もドルフィン・ソングが登場。彼らが実質1年半の活動に突然終止符を打ち、あろうことか殺人事件の被害者と加害者となって世間を驚かせた1991年当時、高校生だった主人公〈前島トリコ〉が、失意の中で自殺を図る2019年から、物語は始まる。 目が覚めるとそこはいつになく人気のない渋谷。なぜか大盛堂書店がマルイの隣にあってQフロントはない。テレビでは小渕恵三が「平成」と書いた紙を掲げていた……。こうして愛してやまなかったバンドが世に出る前の1989年1月にタイムスリップした45歳、結婚歴ナシ、フリーターの彼女は、事件を未然に阻止すべく、生き直しを図る! 通称フィンドルことドルフィン・ソング。ボーカルの〈島本田恋〉と、ギターの〈三沢夢二〉は、〈細身で可愛い顔をしていて、雰囲気もよく似ていた〉とあり、あの2人組を連想させる。「というか、完全にフリッパーズ・ギターですよね。恋と夢二は『ラブ・アンド・ドリーム』だし、あ、このセリフはあの歌詞だなって、わかる人にはわかるはず。 とにかく解散当時、大学1年だった僕には、彼らの物語が突然断ち切られたことが物凄くショックだったんですよ。当初はそこまで熱心でもなかったんですが、『ロッキング・オン・ジャパン』の編集長だった山崎洋一郎さんの『次のロックの担い手である彼らが解散した損失は計り知れない』という物凄い熱量の文章に触発されて、解散後の2人を追いかけた。 ビートルズにしても解散も含めて一つの作品だったりするし、僕は『青春の終わりとは好きなバンドが解散することである』という考えなので」 また、タイムスリップもすでに多くの小説や映画でおなじみの装置ではあるが、注目は夢二が恋を刺殺し、死刑に処せられる現実を、トリコがそうではない現実に変えようとすることだ。「1980年の12月8日に戻ってダコタハウスの前で待ち伏せしたいビートルズファンは世界中にいるし、一切ifを拒む歴史に働きかける創作物も多い。でも実際は歴史に関与できずに終わる人がほとんどで、あの時あっちを選んでいればと、個人レベルでも思っちゃうから、タイムスリップものには常に需要も供給もあり続けるんだと思う」 動機には音楽上の諍いやあるアイドルの取り合いも噂され、トリコは何としても夢二が恋を殺す1991年10月27日までに彼らと接触したい。が、身分一つ証明できない彼女はバブルのさなか、それでも雇ってくれたスーパーで働き、怪しげな中国人から偽造パスポートを買ったりもした。 その間、憧れの音楽誌に投稿記事が掲載され、世界的人気バンドの〈口パク〉を見破って売れっ子ライターとなったトリコは、晴れて恋と夢二と会う日を迎えるのである。 30年後の音楽シーンにも通じる〈サブカルクソ女〉にとって彼らの楽曲が誰の何をサンプリングしたかは半ば常識だったが、本来は取材嫌いな恋と夢二が自分にだけは心を開き、レコーディングでは意見すら求めた。彼女にすればそれだけで幸福の絶頂だが、さらに二回りも若い2人から求愛までされるのだから、つくづくファン心理は侮れない。「……ホント、ご都合主義も甚だしいですよね(笑い)。ただ、音楽性がどうのと言っても結局は欲望の対象なんですよ。そうでなきゃ木村カエラが出産した途端、売り上げが落ちるはずがないし、“ましゃロス”や“プロ彼女”もそう。欲しいのは自分との関係なんです」◆歌も小説も映画も模倣の歴史だった〈「すべての音は鳴らされてしまった」と、ジョン・レノンは生前語っていたが、ポスト・モダン以降、彼らの音は時代の必然だった〉とある。巻末に必ず自身が影響を受けた小説や漫画、映画や音楽への夥しい賛辞を並べ、露骨な引用やパスティーシュによって独自の作品世界を形作る樋口氏が、同じくサンプリングや換骨奪胎を常としたフリッパーズ・ギターを題材にしたこと自体、まさに必然だ。「元々ひねくれているから彼らが好きなのか、好きだからこんな人間になったのか、わかりませんけどね。 最初は僕も元ネタがあるなんて知らなくて、初めて知った時は『騙された』とすら思った。ところが歌の力ってズルいと思うのは、それでもやっぱり好きなんですよ。そのうちビートルズも佐野元春も先人の影響をモロに受けていることに気づき、小説や映画も模倣の歴史だった。『タモリ論』でも書いたように、まなぶはまねぶで、0からは何も創れないことに気づく一つのきっかけが、僕の場合は彼らの音だったんです」 バブルの狂騒や1990年代の音楽シーン等々、虚実織り交ぜた物語は、トリコが死を選ぶほど絶望した過去=未来とどう切り結ぶかを軸に進む。〈椎名林檎にもなれず、本谷有希子にもなれず、谷亮子にもなれず〉〈特に、宇多田ヒカルが憎かった〉彼女は、未来のヒモ〈俊太郎〉と結局は同棲し、彼が15歳の自分に手を出す現実すら変えられないかもしれないことに焦りながらも、この時代に自分がいる意味を考えた。〈実は時間が意思を持って、ときどきこうやって誰かを選んで、時系や歪みを直しているのではないか〉〈信長→秀吉→家康の流れとか、明治維新とか日本敗戦といった歴史的事実も、実は何者かが変えたことに、誰も気づかずにいるのではないか〉〈歴史よ、私はおまえの言いなりにはならない〉と。 まるで作家・樋口毅宏の成分構成表さながらに作品中に横溢する引用の類も、そこから次の歴史を紡ごうとする意思の表れであろう。「ジョン・レノンもオノ・ヨーコと会ってから各国の左翼運動家に出資してFBIに睨まれたくらい感化されやすかったけど、僕も自分がないし、すぐ人の影響を受けるんです(笑い)。ただ、小沢健二や小山田圭吾の歌詞を使うことはあっても、EXILEの詞は1行も使うことはないかな」 と半ば開き直る彼の作品の、なんと面白いことか!確かにこれぞ愛のなせる業である。【著者プロフィール】樋口毅宏(ひぐち・たけひろ):1971年東京・雑司ヶ谷生まれ。出版社勤務を経て2009年『さらば雑司ヶ谷』でデビュー。『民宿雪国』(山本周五郎賞・山田風太郎賞候補)『テロルのすべて』(大藪賞候補)『日本のセックス』『二十五の瞳』『愛される資格』等話題作多数。6月に結婚。先月長男が誕生し、育児に奮闘中。「寝られないし筋肉痛は酷いし、みんな恋愛や結婚をあんなに書くなら、その先の育児がどんだけ大変かも書いてくれないと!」。172cm、66kg。(構成/橋本紀子)※週刊ポスト2015年12月25日号
2015.12.17 16:00
週刊ポスト
五輪エンブレム 1964年大会のものは使用できないと組織委
五輪エンブレム 1964年大会のものは使用できないと組織委
 トラブル続きの2020年東京五輪。エンブレム問題は1.7億円超の税金が消えていったといわれている。 今回の一件は、「取り下げました」のひと言ですむ話ではない。新国立競技場の「やり直し」に続いて、日本に対する国際的信用を失墜させたことはもちろん、税金の無駄遣いは決して見逃せない。 舛添要一東京都知事(66才)は、1枚91円の紙袋など、エンブレム入りのグッズを「もったいないので、使えるものは使う」と力説していたが、あっという間に「使用中止」を表明した。 「エンブレム撤回」による損失は東京都だけでも1億円以上にのぼると報じられている。 実際に都庁に事実関係を聞いてみた。「のぼりやポスターはすでに約4600万円分を発注ずみですが、どのくらいまで負担額を減らせるか、各業者と交渉する予定です。また、7月24日に東京都庁で行われたエンブレム発表イベントの費用は、7000万円を上限に負担する約束になっています。“1億円以上”という報道は、これらの数字を合わせたものでしょう。都庁の職員はすでにエンブレム入りの名刺を使い始めていますが、都庁内のプリンターを使っているので、そんなに大量には刷っていません」(東京都庁職員) そう言って担当者は「都庁内のプリンター」ということを何度も繰り返した。ある区の職員が絶対匿名を条件にこう漏らす。「うちの区ではエンブレムが決まってすぐに名刺の印刷が検討され、オリンピック担当やスポーツ振興の部署ではすでに刷り上がり、一部では使用も始まっていました。大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は会見で『税金で賄われているものはありません』ときっぱり発言していましたが、そんなわけないですよね。全市区町村で撤回による損失を細かく精査すれば、決して安い金額では収まりませんよ。すべて計上していけば、それこそ、数億円ということだってない話じゃない」 2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は、商標調査や登録申請に伴う経費、応募用ホームページの制作費などで約5700万円の損失があったといわれており、これまでに約1億7000万円以上がパーになったと報じられている。さらに、新エンブレムの公募や審査でさらなる費用がかさむのは明白。私たちの巨額の血税が使われるというのに、騒動の経緯は説明されないし、どれほどの税金がどのように使われたのか、今後いくら使われようとしているのか明細が公開されることは期待できない。 そんな中、東京都は新しいエンブレムが決まるまでの間、招致活動の際に使用した「桜のリース」モチーフのエンブレムを使うこととした。これが大好評で、「五輪エンブレムもこれでいいんじゃないの」という意見が上がっている。しかし、大会組織委員会は、そうできないことを明らかにした。「理由として、国際オリンピック委員会(IOC)の指針に“大会エンブレムは招致ロゴに取って代わるもので、発表まで機密事項として管理すること”とあるからだと説明しました。また“招致エンブレムは無償で多く配布されているから、今さら有償で(権利ビジネスの)ライセンス展開するのは難しい”とも話しています」(全国紙記者) これにはインターネット上に《平たく言えば金のためですね》《完全に大人の事情ってやつだなぁ》《これじゃオープンな選考とか無理じゃん》などと非難の声が殺到している。 一方で、歌手の椎名林檎(36才)や漫画家のやくみつるさん(56才)らが提唱している「1964年のマークの再利用案」も注目されている。やくさんは、「明快で荘厳。あれを超えるデザインはない。2度目の五輪開催都市として、先人への尊崇の念を持ち、理念を継承していくことが大切ではないか」(9月2日付朝日新聞) 税金の無駄遣いがぐっと少なくなることもあり、日本中から賛同の声が聞こえてくる。 しかしこの件に関して大会組織委員会に問い合わせると、書面で以下のような内容が送られてきた。「大会エンブレムは組織委員会自ら作成することが必要です。商標の観点で赤い日の丸のものは明確な区別が難しく、商標登録ができない可能性がきわめて高いので、1964年の大会エンブレムを今大会のエンブレムとしては使用できないと認識しています。IOCも東京2020組織委員会からの新しいデザインの提案を待っています」※女性セブン2015年9月24日号
2015.09.12 16:00
女性セブン

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