10月16日、日本大学アメリカンフットボール部の4年生の男子部員・矢部鑑羅容疑者(21)が、大麻を認識しながら密売人から違法薬物を購入した疑いで新たに逮捕された。日大アメフト部を巡っては今年8月、3年生の北畠成文被告(21)が中野区にある部の学生寮で覚醒剤と乾燥大麻などを隠し持っていたとして逮捕されたばかりだった。
北畠被告が警察の調べに対し、被告が「ほかの部員も使っていた」という趣旨の供述をしたことなどから、捜査の手が伸びたとみられる。アメフト部の関係者が言う。
「北畠が逮捕された際に、部内でも“ほかにも誰か捕まるんじゃないか”という声は上がっていました。実際にはどれほど蔓延していたのか分かりませんが、少なくとも今後の部の運営において、2人目の逮捕者が出たことが大きな影響を及ぼすことは間違いありません」
日大アメフト部は「フェニックス」というチーム名で知られ、全日本大学アメリカンフットボール選手権大会で21度の優勝を誇る全国屈指の強豪校だ。だが、2018年に「悪質タックル」騒動が起きたころから潮目が変わり始めた。監督やコーチが相次いで交代するなど、近年は部の運営においても苦心していたと言われている。そこにきて、今回の逮捕劇。複数の逮捕者が出たとなると、存続の危機に直面することは避けられないだろう。
OBたちはライブを観て激怒
揺れるアメフト部だが、OBだという男性が憤るのが最初に逮捕された北畠被告の“態度”だという。矢部容疑者が逮捕されるおよそ1週間前、仲間内のメンバーで配信されたインスタライブでは、こんなやり取りがあったのだという。
「北畠はインスタライブで地元の友人2人と雑談しながらラップの話題で盛り上がっていた。呆れたのが、笑いながら『(俺の経験は)歌詞にできるかな?書ける?』『なか(拘置所)におる時、メモとか買えるやんか。なんか書こうかなと思ったけど、なんも想い浮かばんかったから』という北畠に、部員の1人が『YouTubeに載せて、ミュージックビデオで出したったらええやん』などと盛り上がっていたんです。
逮捕されたにもかかわらず、友人とそのことをラップにしようかと談笑する様子が収められている。それを目にしたOBたちはみんな“大変な時にお前が何を言っているんだ”と怒っていました」(アメフト部OB)
自らの行ないが原因で部は存続の危機に──そんな状況下でのこの振る舞いに関係者やOBが憤慨したのは当然だろう。