ガーナ側の主犯格で“ブルー・コフィ”の異名を持つナナ・コフィ・ボアテインは米国へ逃亡中

ガーナ側の主犯格で“ブルー・コフィ”の異名を持つナナ・コフィ・ボアテインは米国へ逃亡中

 その上で面会では、受け取ったのは「交通費」や「食費」の少額だけだと言い張り、ガーナでの困窮ぶりを訴えた。

「逮捕される直前はアパートに住んでいましたが、お金がなくて家賃を1年間滞納した。所持金も25ドルだけ。もし報酬を得ていたら、そんな貧乏になっていませんよ」

 森川は「送金ビジネス」に不信感を抱きながら、リスクを負ってまで無報酬で協力していたというのか。仮に無報酬なら何のためにやっていたのか。真相を知るコフィたちガーナ側の人間の所在は現在も不明のまま。検察から懲役15年を求刑された大阪地裁は12月7日、森川に判決を言い渡す。

(了。前編から読む

【プロフィール】
水谷竹秀(みずたに・たけひで)/1975年、三重県生まれ。ノンフィクションライター。上智大学外国語学部卒。新聞記者、カメラマンを経てフリーに。2004~2017年にフィリピンを中心に活動し、現在は拠点を日本に移す。2011年『日本を捨てた男たち』で開高健ノンフィクション賞を受賞。2022年3月下旬から5月上旬にはウクライナで戦地を取材した。

※週刊ポスト2023年12月15日号

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