山本由伸(時事通信フォト)

山本由伸(写真)と大谷が一緒に食事をしたという報道も(時事通信フォト)

「山本由伸と食事」の真意

DJ:その数字にも意味があるんですよね?

福島:「10」年と「7」億ドルを足すと「17」で大谷の背番号になるでしょう。アメリカは数字にこだわるんです。例えば、あるマイナー球団が試合開始時刻を7時07分にした時は、その町のエリアコードが707だったそうです。今回も大谷の背番号だとピンときました。ドジャースの大谷への期待の大きさの現われです。

DJ:オプトアウト(契約破棄)なしの長期契約だったのも珍しい。

福島:10年間、ドジャースのためにプレーするという愛を感じました。さらにオーナーと球団本部長が交代すれば、オプトアウトを行使できる条件になっている。

DJ:11年連続ポストシーズンは、間違いなくオーナーと球団本部長の存在が大きい。その2人と心中する覚悟ですよね。

福島:年俸の後払いも驚きました。メジャーでは1980年代から流行した契約形態ですが、97%の後払いは前代未聞。大谷はお金よりチームの勝利を重視していて、この後払いもあって元レイズのエース格・グラスノーや山本由伸も獲得できました。

DJ:大谷は日本人選手と同じチームになりたくない、という報道もありましたが、完全に間違っていた。由伸の獲得が決まる前、大谷はベッツ、フリーマンと一緒に由伸と食事したという現地報道があったけど、大谷は勝つために、素直に由伸が欲しかったと思うんです。

福島:ただボクの本音は、由伸がヤンキースに行って、ワールドシリーズの舞台でドジャースの大谷との対決が見たかったですね。

DJ:ボクはオリックスのDJもしていたので由伸と親しいですが、縦ストライプの由伸もたしかに見てみたかった。

福島:もっと言えば、ボクの本心は、大谷にヤンキースに行ってもらいたかったんです。

DJ:福島さんは東海岸志向だから(笑)。

福島:こうなったからには同じチームの大谷と由伸で力を合わせて、ワールドチャンピオンになってもらうしかないですね。

【プロフィール】
福島良一(ふくしま・よしかず)/1956年、千葉県生まれ。大リーグ評論家。1968年に日米野球を観戦してMLBに魅了され、1973年に初渡米。大リーグ通の第一人者だった故・伊東一雄氏の薫陶を受ける。著者に『もっと知りたい! 大谷翔平』(小学館新書)など。

DJケチャップ(でぃーじぇー・けちゃっぷ)/1974年、兵庫県生まれ。2014~2017年にオリックスのスタジアムDJを担当。現在はABEMAのMLB中継をはじめ、テニス、サッカー、ラグビーなどのスポーツDJを務める。

※週刊ポスト2024年1月12・19日号

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