寝る直前にベッドに座り、感謝の気持ちを捧げる
その方法は、眠る直前に「感謝の気持ちを捧げる」というもの。具体的なやり方は次のとおり。
【1】寝る準備をすべて済ませてから、ベッドの上に座る
【2】目を閉じて、その日一日、どんな出来事があったかを思い浮かべる
【3】その日に起きたポジティブな出来事に対して「ありがとう」と心の中で唱える
【4】周りの環境や人々、今日一日頑張ってくれた自分の身体にも「ありがとう」と唱える
【5】最後に「今日のすべてを手放します」とリセットしてから眠る
寝る前に感謝の時間を持つことを習慣化すると、ストレスが軽減し、幸福感がアップするとは心理学や脳科学の世界でも言われているが、ニーマル氏によると、大切なのは感謝を捧げるだけでなく、【5】の一日をリセットする意識をもつことだという。
「例えば、今日、とてもいいことが起きたとします。すると人間は、『明日もいいことが起こるといいな』と無意識のうちに期待しがちです。この期待が積み重なっていくとやがて執着となり、いいことが起きなかった日に無駄に落ち込んだり、自分や周りを責めたりなど、ネガティブな感情にとらわれやすくなっていきます」(ニーマル氏)
大切なのは、一日をリセットすること
感謝を捧げたあとに「明日も平和に過ごせますように」などとつい願掛けをしたくなってしまう気もするが、それもニーマル氏によれば執着のもと。よく、神社はお願いごとをしに行くのではなく、感謝をしに行くところだと言うが、それと似たようなものかもしれない。
「その日がいい日であっても、よくない日だったとしても、感謝をして一日をリセットする。これを毎日続けると、睡眠中に一日の疲れとともにネガティブな感情が洗い流されて、翌朝はすっきりと目覚められるようになりますよ」(ニーマル氏)
前述の瞑想スタジオ「suwaru(スワル)」に通う50代の会社経営者の男性は、この方法を取り入れたことで長年悩まされていた悪夢から解放され、よく眠れるようになったと語る。
「私は放っておくと頭が24時間フル回転で、仕事のことばかり考えてしまうタイプ。これまでも寝る前に感謝の気持ちをもつようにはしていましたが、最後に必ず『明日もよろしくお願いします』と願掛けしていました。それをやめて、感謝をしたあとに一日をリセットするようにしたら、何十年も見ていた悪夢がパタッと止まったんです。朝の目覚めもよくなりました」(50代男性)
睡眠の質が高まるという寝る前のプチ習慣、不眠症が気になる人はぜひ試してみてはいかがだろうか。
取材・文/志村香織
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