注目の3月場所の土俵は1横綱4大関となる。モンゴル出身の横綱・照ノ富士と、霧島、豊昇龍の2大関、それに対して琴ノ若と1学年先輩の貴景勝の埼玉栄コンビの2大関という構図だ。元力士のひとりはこう話す。

「新大関として臨む琴ノ若は、カド番の大関・貴景勝はじめ、大栄翔、王鵬、翔猿、剣翔、豪ノ山、北勝富士などの埼玉栄OBと多く対戦する可能性がある。かつて1980~90年代には幕内に日大OBで溢れかえり“日大王国”といわれた時代があった。先輩後輩の関係が厳しかったことで後輩が土俵で力が出せなかったために、日大勢からは上位で活躍することはできないが十両に転落しないエレベーター力士を多く生み出された。その後、日体大、明治大、専修大、駒沢大、東洋大、中央大、近畿大などに有望力士が分散するようになったことで問題が解消された経緯がある。

 今は埼玉栄から大学を経てプロ入りした力士も多く、日大王国の時代とは違う。とはいえ、母校の監督が“(埼玉栄から)1人でも横綱になってほしい”という言葉が、OBの関取衆にどのように響いているのかは気になります」

 3月場所の土俵には、いやがうえにも注目が集まりそうだ。

※週刊ポスト2024年3月8・15日号

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