『笑っていいとも!』の「テレフォンショッキング」で担当アナを任されたこともある相川梨絵

『笑っていいとも!』の「テレフォンショッキング」で担当アナも務めた相川梨絵さん

 タモリの“頑張らない”は筋金入りで、インタビューでも〈頑張ると疲れる。疲れると続かない〉と語っている(『news zero』日本テレビ系、2018年10月2日放送)。

『いいとも!』レギュラーとして10年以上、タモリと共演したタレントの勝俣州和(58)が、その意味を紐解く。

「タモリさんは、自分が優れていると見せようとする人を信用しないんです。その代わり、欠点と真剣に向き合って一生懸命やっている人を認める。『いいとも!』でテンションが高すぎて周囲となじめずにいたユースケ・サンタマリア君に、〈浮いてるなんて気にすることはない〉〈周りを気にして合わせてたら個性なんて生まれない。お前はお前のままでいいんだ〉と伝えていたことがありました。人と違う自分を愛してあげなさい、とね」

 2003年3月11日放送の『いいとも!』では〈最初から疲れることやめよ。省エネ司会で行こ〉とも語っている。

 力んで流れを掴まずとも、あくまで自然体でいい。そう背中を押してくれる。

一歩引いて観察する

“タモリ語録”のなかでとりわけ広く知られる〈真剣にやれよ、仕事じゃねぇんだぞ〉のフレーズ。そうした言葉に象徴される思考法はどのように育まれたのか。

 1945年8月22日、福岡市に生まれたタモリは、上京して早稲田大学第二文学部に進学するも、授業料の未納で退学処分になる。

 戻った郷里でボウリング場の支配人や喫茶店のマスターなどをして暮らしていた頃、後年まで深い親交が続くジャズピアニストの山下洋輔氏と出会う。1972年、福岡でのコンサート後、ホテルの部屋から漏れる山下氏たちのドンチャン騒ぎをたまたま聞きつけたタモリが乱入した逸話は、関係者の語り草になっている。山下氏の証言だ。

〈いきなりドアが開いて、男が踊りながら入って来たんです。“なんなんだ、こいつは!?”と思いました。そして(その男は)メンバーの中村誠一がかぶっていたゴミ箱を取り上げて、自分がかぶり、虚無僧になりきって踊り続けた。“面白い奴が乱入してきた。もっとやれ、おもしろい”って全員大騒ぎでした〉(「女性セブン」2014年4月10日号)

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