昨年の党大会のようにはいかない(時事通信フォト)

昨年の党大会のようにはいかない(時事通信フォト)

 横山勝彦・前橋市議(自民党系)はこう言う。

「このまま岸田さんが総理の座にいると、この後の衆院補選と地方選挙にも影響してしまう。岸田さんが二階さんや安倍派の幹部に国会の場できちんと説明させることができないのであれば示しがつかない。私は首相の地元の広島の自民党地方議員とも話をしたが、総選挙になれば岸田さん自身の選挙もかなり厳しいものになると言っていた」

 こうした状況は森喜朗内閣の末期とそっくりだ。

 相次ぐ失言と失政、2000年の「加藤の乱」などの内紛で支持率がどん底の1桁台まで落ち込んだ森首相は、2001年3月の党大会前、全国の地方議員から「早期退陣」を求める声が噴出し、森おろしが激化して4月に退陣表明に追い込まれた。

 岸田首相も党大会で地方組織からの退陣要求が火を噴けば、党則改正どころではなくなる可能性がある。

 田村氏は、岸田政権の命運が最終的に決まるのは党大会後の4月28日の衆院統一補欠選挙(東京15区、島根1区、長崎3区)だと見る。

「3戦全敗なら間違いなく岸田おろし。1勝2敗でも起きるでしょう」

 補選準備に奔走する長崎3区が地元の自民党佐世保市議がこう語った。

「谷川さん(弥一・前衆院議員、政治資金規正法違反容疑で略式起訴)がやらかして議員辞職し、まだ誰を立てるのかすら決まっていないが、補選に岸田さんが応援に来たら間違いなく逆風になる。負けるから来ないでほしい」

 自民党の地方組織はすでに岸田首相に“三行半”を突きつけている。

※週刊ポスト2024年3月22日号

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