各社横並びの「岡田語録」は姿を消した

各社横並びの「岡田語録」は姿を消した

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 ところが、再開した「岡田語録」は以前と様子がだいぶ違っている。各社の岡田監督のコメントから「はっきり言うて」「そらそうよ」といった岡田語が激減、「お~ん」は完全に消えた。社によっては関西弁までなくなってしまったところもある。また、以前は各社ほぼ同じ内容だったが、社によって取り上げる部分が異なるようになった。

 たとえば木浪聖也の3失策もあり2対8でヤクルト(甲子園=4月26日)に敗れた翌日の岡田語録では、木浪の失策について「知らん、それは本人に聞いてくれよ。分かれへんやんか、それは」とデイリーと日刊スポーツは触れたが、サンスポとスポニチは書いていない。これまでの横並びではなく、各社が記事化する発言を取捨選択している。阪神OBが言う。

「全社が音声をおこしたほぼ全文を記事にしていたことのほうが異常で、いまは本来の囲み取材に戻ったということ。ネットでの速報が当たり前になり、若い記者が岡田監督のコメントをICレコーダーで録音していかに早く正確に記事にするかが勝負になっていた。記者のなかには録音がそのまま文字になるアプリを使っている者もいて、『お~ん』や『う~』といった言葉まで記事にそのまま再現されていた。

 今回、問題になったケースでは岡田監督が“想定外”と発言したのは事実だが、録音をおこしているだけだからその真意を取り違えてしまうわけです。そこで報道陣がICレコーダーでの録音を自粛し、メモを書いて記者の中で一度、岡田監督の発言を消化してから記事にするかたちになった。岡田監督が条件を出したわけではなく、人気コーナーを存続させるためにマスコミ側からそういう形式にするかたちで落ち着いた」

 音声のおこしをそのまま記事にするのが異常というのはこの阪神OBの指摘の通りだが、一方で再開後の岡田語録では関西弁まで消えてしまうところもあり、発言の魅力が減じてしまう懸念もありそうだ。各紙には、羹に懲りて膾を吹くような対応ではなく、魅力的な岡田語を正しい解釈で報じる努力を続けてもらいたいものだ。

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