国内

鳩山内閣は既得権派に抵抗しすぎ、菅内閣は屈しすぎ今に至る

 菅政権と鳩山政権の違いは、この国の政治の本性を見事に体現しているといえるのかもしれない。

 菅政権の特徴は官僚や大メディアなど「既得権派」の利益を第一に考え、その“指導”に平身低頭、従う一方で、国民に対しては居丈高になる。原発事故では情報を隠して「安全だ」と騙し続け、マスコミを通じた世論操作で大増税路線を敷いた。暴君政治だ。

 鳩山政権はどうだったかというと、褒められたものでなかったという点では菅政権といい勝負だが、なぜ何もできずに終わったかの理由は正反対だった。

 つまり、官僚や大メディアのいうことを聞かなかったために、猛烈なサボタージュとバッシングを受け、機能不全になって倒れたのだ。政権崩壊の原因となった普天間問題では、「県外移設」という国民が喝采した政策を掲げたまではよかったが、「既得権派」の側に立つ官僚や閣僚に裏切られ、最後は汚名を着ることになったのである。

 どちらがより無能か、など論じても何の役にも立たない。が、この国の「黒幕」が誰であり、政治には、それに抗う能力が全くないことは、この2つの無能政権がはっきりと教えている。

 ウィキリークスが朝日新聞に提供したアメリカ政府の公電により明らかにされたのは、日本の外交権が官僚機構によって壟断され、政治家はそれを追認し、さらに大メディアまで官僚によって「教育」されているという、この国の惨状だったのである。

※週刊ポスト2011年5月27日号

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