国内

「福島の子供のほとんどが内部被曝している」武田教授指摘

 子供たち全員の尿からセシウムが検出された――

 そんな衝撃の発表があったのは6月30日のこと。福島県内の保護者らによる市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などが、原発事故当時から福島市内に住む(1名は3月下旬に山形県へ避難)6~16才の男子6名、女子4名の計10名から5月下旬に尿を採り、解析したところ、全員からセシウムが検出されたのだ。

 原発事故の“真実”を語る論客として人気の武田邦彦・中部大学教授(68)は、今回の調査により、こんなことが明らかになったと指摘する。

「福島の子供のほとんどが内部被曝していると思われます。原発で水素爆発が起きて、大気中に放射性物質が拡散され、それを吸い込んで内部被曝しています。さらに事故後に放射性物質の付着した食物や水を摂ったことで、内部被曝が加算されます。チェルノブイリ原発事故のときは、外部被曝と内部被曝はほぼ同じ量でした」(武田教授)

 いま福島の子供が毎時1マイクロシーベルトの地域に住んでいるとすると、1年間の外部被曝は8.76ミリシーベルトの計算になる。

「チェルノブイリにならって内部被曝と外部被曝を同程度とすると、両方合わせて年間約17ミリシーベルトの被曝量になります。これは一般的な日本人がこれまで体験したことのない領域です」(武田教授)

 子供が被曝した場合、すぐに影響が表れなくても、数十年後の甲状腺がん発症のリスクが増加するともいわれている。未曾有の事態に防衛策はあるのだろうか。

「何より大事なのは体内に新たな放射性物質を入れないこと。風の強い日はマスクをしましょう。そして、バランスのいい食事を心がけ、免疫力を高める。セシウムはカリウムを充分に摂取していれば、体内に取り込まれにくいので、パセリなどの野菜や納豆、ナッツ類、ひじきやのりなどの海藻類などカリウムを豊富に含んだ食品を食べるようにするのも手です」(武田教授)

※女性セブン2011年7月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン