ライフ

就職の保証人は原則3年間 会社に損害かけたら法的責任発生

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「知人の子供の就職にあたり、保証人を頼まれました」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 知人の息子が会社に就職するにあたり、保証人になってほしいと頼まれました。金銭関係の保証人でなければ、あまり心配はないと聞きますが、一応引き受ける場合に、大事な心得などがあれば教えてください。新入社員に対する保証人については、特に大切な点は何でしょうか。

【回答】
 身元保証人になれば、知人の息子が会社に損害をかけると法的な責任が発生します。しかし、身元保証法が、保証人の責任が過酷にならないように規制しています。

 まず、身元保証の期間です。期間の約束がなければ原則3年です。合意で期間を決める場合は最大で5年間ですが、期間限到来後は合意により更新できます。更新なく保証期間を経過した後に起こした不祥事には責任はありません。

 身元保証契約には時として、期間満了前に通知がないと自動更新する特約が定められていることもありますが、身元保証法は、法で決めたこと以外で身元保証人に不利な約定は無効としており、こうした自動更新条項は無効であると解されています。

 次に期間前の契約終了ですが、身元保証法では、保証人の注意喚起のため、使用者に対して被用者に不誠実な行為があった場合や、被用者を保証人の責任が重くなりそうな職場や監督が難しくなる職場に変更する場合には、遅滞なく身元保証人に通知する義務を課しています。

 通知を受けた身元保証人は、将来に向かって身元保証契約を解除できます。つまり解除後に発生した事故については責任を負いません。また身元保証人は、使用者からの通知を待たなくても、こうした事態を知れば、将来に向かって解除できます。

 最後に身元保証人の責任の範囲ですが、使用者の損害を直ちに全額弁償するということにはなりません。争いになれば裁判所は、使用者の監督上の過失の有無、身元保証人が保証するにいたった事情、その保証にあたり注意したこと、さらに被用者の任務や職場の変化等の一切の事情を考慮して判断します。そこで、本人の人柄のほか、会社の職種や本人の業務内容などにも十分配慮する必要があると思います。

※週刊ポスト2012年4月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン