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野菜シャッキリの「50℃洗い」プロはサニーレタスに特に驚く

「50℃の湯で洗うだけ」で、しなびた野菜がシャッキリ、魚は臭みが消え、肉はジューシーに――。驚きの効果を発見したのは、蒸気技術工学の専門家で、スチーミング調理技術研究会代表の平山一政氏(75)だ。

 実際に1年半前から「50℃洗い」を実践し、採用している千葉のフレンチレストラン『ヴァン・ウタセ』(千葉県・千葉市)のオーナーシェフ・宮野輝明氏はこう語る。

「驚くほど効果が現われる食材は、サニーレタスですね。『50℃洗い』をすると葉が一枚一枚根元から力強く立ち上がり、盛りつけた後にドレッシングをかけても沈まず、ふんわりとしています」

 これを検証しようと、5日間常温で放置してしんなりさせたサニーレタスの「50℃洗い」を試した。湯に浸すこと1分、みるみる葉が広がって湯の中で泳ぎ、1分20秒後に引き上げて水気を切ると、葉先のフリルが生き生きと波打ち、まるで成長したかのように全体のボリュームがアップした。

 驚いたのは洗った後の湯がうっすらと白濁していたこと。これまで野菜の水洗いをして水が濁った経験はないが、気づかなかった汚れがあったはず。食べると、洗う前に比べて段違いに瑞々しさが戻っていた。

 さらにチンゲン菜を1分、ベビーリーフを30秒、水菜を40秒「50℃洗い」したが、やはり丸まったり、縮んだりしていた葉先がピンと伸びて、一回り大きくなった印象を受けた。前回の検証でも鮮度の蘇り効果が最も顕著に現われた野菜は、ほうれん草と春菊だったので、青物野菜の「50℃洗い」には太鼓判を押すことができそうだ。

 家庭でも気軽に「50℃洗い」を活用した料理はできるが、前出・宮野氏はその際のポイントについて、こう語る。

「肉、魚は洗った後に水気が残っていると焼き色がつかず、おいしく仕上がりません。キッチンペーパーでしっかり取ってしばらく乾かしてください」

※週刊ポスト2012年6月1日号

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