夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、住宅メーカー勤務のご主人(62歳)。奥様(59歳)とは今でも体型がほとんど一緒です。
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若い頃は夫婦揃ってペアルックを楽しんでいましたが、50を過ぎてからは、女房は平気でも、僕のほうが気恥ずかしくなり、避けております。
そんな僕たちが、ペアルックの相手としてターゲットにしたのは5歳の孫。男の子なんですが、「新しいスニーカーが欲しい」というので、僕が「ジイジと一緒だよ」と渡したのは、黒に黄色のストライプが入ったデザイン。一方、女房が渡したのは赤と白のデザインです。
孫は「バーバのほうがいい!」といい。女房は勝ち誇った顔。2人でお揃いのスニーカーを履いて、「ちょっと散歩してくるわね」と出掛けるのを、僕は悔しさ半分で見送りました。
でも先日、僕が孫に緑のポロシャツ、女房が赤のポロシャツを渡したら、「ジイジのほうがいい!」だって。やりました! 孫とペアルックです!
「アナタ、孫に偏向教育したでしょ! 赤を嫌いになるって変だもん」と愚痴る女房を完全無視です。よーし、次も勝利だ!
※週刊ポスト2012年11月16日号