12月1日から、2014年に卒業する学生たちの就活がスタートする。企業の採用活動も大きく様変わりしそうだ。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が新年度就活・採用活動をレクチャーする。
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もうすぐ12月。いよいよ12月1日から、2014年新卒の就活が本格スタートします。何が起こるのか、起こりそうなのか。トピックスを紹介することにしましょう。
大きなトピックスは「企業の就職ナビ離れ」でしょう。企業の採用活動において、リクナビ、マイナビなどの「就職ナビ」の優先度が低下する傾向が顕著です。HR総合調査研究所の調べによると、2012年卒から2013年卒にかけて、就職ナビについてこれまでと変わらず中心的役割」と答えた企業が69%→55%へと大きく減少しました。「今後は見直す」という回答もすべての企業規模で15~18%の割合に達しています。
2014年卒ではこれがさらに加速しそうです。やはりHR総合調査研究所の調べによると、2014年卒採用で「特に注力する採用施策(複数回答)」は「学内企業セミナー」が1位で55.8%「自社セミナー・説明会」が2位で54.5%。これまで1位だった「就職ナビ」は3位で28.3%になっております。
もっとも、就職ナビには、応募を受け付けるシステムという役割もありますし、完全にゼロにはなりません。ただ、明らかに企業の側での優先順位は落ちていると感じます。今年は、リクナビ、マイナビの両方に掲載する企業もどうやら減りそうな予感です。
よく日本の就活の画一性や気持ち悪さを語る論拠として、就職ナビや合同企業説明会の存在があげられ、テレビや新聞で就活問題が紹介される際もよく取り上げられましたが、これが全てではないといえそうです。
企業はより学生との距離が近い採用活動に回帰していると言えるでしょう。
昨年度話題となり、2012年ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた「ソー活」ですが、今年は話題にもなりません。前出の調査によると、企業側で注力すると答えた企業は3.9%にすぎません。もっとも、学生が社会人と会う手段として、また、企業が優秀学生を探す手段としては有効ではあり、残ることは残るでしょう。
就活の時期については、実は一部の企業はもうインターンシップや早期型セミナー、OB・OG交流会、内定者との懇親会などを通じてアプローチを初めていますし、選考を行なっていたりもします。12月から本格スタートなのですが、恐らく今年も大手企業を中心に短期決戦になりそうな予感です。ただ、複数の日程を用意する企業は昨年同様、ありそうですね。
なお、昨年から倫理憲章が変更になり、大学3年の12月に広報活動開始となったわけですが、その影響からか、学生の自己分析、業界・企業分析不足を指摘する声が多数ありました。今年は、学生のその段階での仕上がりではなく、学生に深くヒアリングすることにより、よいところを引き出そうとする企業が増えそうです。
以上、データと、企業の採用担当者や大学関係者の声をもとにお届けしました。
学生さんにオススメしたいのは、まずは4年生の先輩の話を聞くことです。もちろん、昨年はスケジュールが変更になった1年目だったので、やや特殊要因もありますが、どうだったのかを聞いておくべきでしょう。また、優先順位付けと健康管理も大切に。
採用活動の浄化、健全化が少しでも進むことを祈るばかりです。学生の皆さん、応援しております!