“当選請負人”として、選挙で勝つための戦略を授ける選挙プランナー。その中で、1980年生まれで、日本最年少の選挙プランナーを自任するのが松田馨氏だ。松田氏が最初に選挙の仕事にかかわったのは26歳のときである。
「2006年7月の滋賀県知事選で恩師である嘉田由紀子氏の選挙で選対入りしたのがきっかけでした」(松田氏。以下「」内同)
現在は、現職、新人にかかわらず依頼を受け、選挙区の情勢分析や当選に必要な票数を予想したうえで、選挙戦略の立案とスケジュールや予算などをアドバイスする。松田氏のデータ解析は定評がある。国勢調査を基に、党派別、地域別、男女別、年代別などのデータを独自に調査、PCには過去12年分のデータが入っている。
「これで、現職がどういう風に票を伸ばしているか、またどういう風に票が減ったかも分かります。投票率も地方だと60~70代が高いですが、東京だと30~40代の子育て世代が高い。地域によってアピールすべき年代が分かります」
今年1月の滋賀県大津市長選では、越直美市長の当選に携わった。
「民主党の支持率が低かったので、民主党推薦というイメージを出さず、大津市民から支持の高い嘉田滋賀県知事との関係が近いことを全面に押し出し、嘉田さんのイメージカラーに合わせました」
今まで100人弱の選挙参謀として働き勝率は75%という。ところで、選挙プランナーの仕事、報酬はどれくらいなのか。
「私の場合は、基本的に時間給計算です。今までの契約で一番安いケースでは月5万~10万円で、1か月張り付くようなケースなら100万円くらいになります」
当選しても落選しても報酬は同じ。当選しても、“バンザイ”の輪の中には入らないという。
「この仕事は客観的に眺めないとできない。あくまでも部外者としての立場を貫くのが私のポリシーです」
撮影■WEST
※週刊ポスト2012年12月7日号