一般社団法人日本自動車工業会のデータによると、2001年に5.5年だった自動車の平均保有期間は、2011年には6.8年まで伸びている。つまり、自動車の買い替えサイクルが長くなっているわけだが、その背景には、自動車の性能向上に加えて、長引く不況が大きく響いていると考えられる。
このように、自動車を長期保有する傾向が高まるにつれ、洗車などのメンテナンスのニーズも高まりを見せている。
洗車サービスと洗車用品販売のサイト「カーピカネット」を運営する「せれくと」代表取締役の木元秀典氏によれば、新車購入時にボディコーティングの施工を行なう人や、日常の洗車回数を増やしている人は、確実に増加しているという。
特にこれからの年末シーズンは、ガソリンスタンドの洗車機で順番待ちの行列を見かける機会も増えるだろうが、「クルマを大切にする気持ちとは裏腹に、知識や経験がないために大切なクルマを傷めてしまう例も少なくない」(木元氏)という。
たとえば、頻繁にシャンプー洗車をしても、それだけでは、車の輝きを維持することはできない。落とし切れない汚れが蓄積し、水垢やシミの原因になってしまうからだ。
では、どうすればいいのか。日常の洗車は、ガソリンスタンドの洗車機でも構わないが、「2~3かカ月に一度は、コーティング剤などを使って、きちんとメンテナンスをすることが必要」(木元氏)という。
コーティング剤は、ボディ表面に被膜を作り、汚れを付きにくくする効果がある。最近は、ボディに塗布して拭き取るだけの液体タイプが各社から発売されており、手軽なコーティング剤として人気がある。液体コーティング剤もいくつかの種類があるが、主流はガラス系と呼ばれるもの。ボディ表面に丈夫なガラス状被膜を作ることで汚れを防ぎ、輝きを長く保つことができる。
一方、ネット上のクチコミサイトで話題になりつつあるのが、撥油系コーティング剤。これまでのコーティング剤では、水性の汚れは弾くが、油性の汚れは弾かず、ボディに蓄積されてしまう。車の水垢は、この油汚れが原因だ。撥油系コーティング剤は、水性の汚れも油性の汚れも弾き、ボディの光沢を長く維持することができる。
カーピカネットが販売する「Gモード」も撥油系コーティング剤のひとつ。「Gモード」は、1本でシャンプー洗車とコーティングが同時にできるので、より手軽にメンテナンスができるという特徴がある。コンパクトカーなら30~40分でOKだ。マンション住まいで十分な洗車場所がない場合でも、バケツ1杯の水で簡単に施工できるのもうれしい。
「撥油系」にどのくらいの効果があるのか、実際に「Gモード」で試してみた。
2012年4月の新車購入時にディーラーでコーティングをした車と、10年落ちの中古車をGモードで洗車し、その違いをボディ表面の輝き具合を測定する光度計を使って比較した。その結果、ボディコート済みの新車を水洗いした後の光度は80、一方で10年落ちの中古車をGモード洗車した後の光度は85となった。
結果は僅差に見えるが、素人の簡単洗車でもプロのボディコートに匹敵できる効果が得られたことが確認できた。メンテナンスを工夫するだけで、中古車でも新車に負けない輝きを取り戻し、それを長期間維持することができるのだ。