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患者増の心臓弁膜症 検査機器の進歩で難しい症例発見可能に

 心臓は4つの部屋に分かれており、血液の逆流を防止する目的で、それぞれにドアの役割をする弁がついている。その弁に異常が起こり、息切れやめまい、ひどくなると胸痛や失神、心不全などが起こるのが心臓弁膜症だ。

 かつては溶連菌によるリウマチ熱で起こるリウマチ性心臓弁膜症が多かったが、治療方法が確立したため、いずれは無くなる病気と思われていた。しかしここ10年で、動脈硬化や組織の変性による弁膜症の患者数が倍増している。

 東京ベイ・浦安市川医療センターの渡辺弘之ハートセンター長に話を聞いた。

「心臓弁膜症は、症状がゆっくり進み慢性化します。年齢とともに階段を避けるようになったりするため、自分の昇る速度が遅くなったことに気づかず、症状が進むことも多いのです。近年は高齢化が進み動脈硬化が増えていることと、心エコーなど検査機器が進歩して見つかりにくかった症例も発見が可能となり、患者が増えてきています」

 診断は問診や聴診、心エコーなどで行なう。狭窄すると大動脈弁の面積は普通の人の4分の1~5分の1になるので、診断には弁の面積を測ることが重要だ。また僧帽弁の閉鎖不全では、1回の拍動で60ccも血液が逆流することがある。聴診で確認し、心エコーでこれらの数値を定量評価して、重症度を客観的に診断する。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2013年1月18日号

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