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アイス新聞編集長 ガリガリ君の売れ行き予測外して悔しがる

 世の中には無数の「業界」がある。しかし、一般紙やテレビが報じる日々のニュースを眺めているだけでは、各業界の細部までは見えてこない。大メディアを出し抜くスクープを狙う記者たちの情熱と、日本経済のダイナミズムを伝える濃厚な情報が詰まった2000を超える業界紙のなかから「アイスクリーム流通新聞」(発行部数/8000部、発行日/毎月5・15・25日、価格/年間1万5750円)を紹介する。

 誰が呼んだか、「アイスおじさん」。都内のマンションの一室に構える編集部で、アイス取材一筋45年の近藤忠顕・編集長のメタボ体型は誰よりも目立つ。

「新商品発表会では1日30種類のアイスを食べることも。さすがに苦しいこともありますよ(笑い)」

 うーん。なんとも贅沢な悩みだ。新作発表会の試食だけでなく、日々の情報収集も欠かさない。

「スーパーやコンビニで新製品を買い漁る毎日です。お金を払って試さないと、良い記事は書けません」

 そんな「アイスおじさん」は、苦い思いを味わった。業界を代表するアイスバー『ガリガリ君』(赤城乳業)が「コーンポタージュ味」を発売したのは、昨年9月のこと。「売れないだろう」と予測した近藤編集長は記事の扱いをそこまで大きくしなかった。しかし、蓋を開けてみたら発売3日で在庫切れの大ヒットになった。

「自分の読みの甘さを思い知りました。改めてアイスの世界は奥が深いな、と」

※週刊ポスト2013年3月29日号

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