高木道郎氏は1953年生まれ。フリーライターとして釣り雑誌や単行本などの出版に携わり、北海道から沖縄、海外まで釣行している。その高木氏が、大きさによって呼び名を変える釣り師の習慣を紹介する。
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釣り師は納得サイズのことを良型と呼ぶが、良型の基準は魚種やフィールドによって異なる。クロダイの場合は10センチ以下をチンチン、25センチ以下をカイズと呼び、25~35センチを中型、35~45センチを良型と呼ぶ。大型は45センチ以上であるが、50センチを超すサイズは年無しとも呼ばれ、55センチ以上になると超大型と呼ばれる。
メジナの場合は20センチ以下をコッパ、20~25センチを小型、25~35センチを中型、35~45センチを良型、45センチ以上を大型と呼び、50センチ超えは超大型になる。しかし、クロダイと比べてフィールドによるサイズ差が大きいため、フィールドによってサイズ基準が若干異なる傾向がある。
メジナの成長が遅い内海や東北エリアでは、30センチあれば良型だろう。ちなみにコッパは木っ端役人の木っ端で、つまらないもの、取るに足りないもの、価値のないものという意味。
シロギスは10センチ以下がピンギス、10~15センチを小型、15センチ以上が中型で、良型は18~25センチ、25センチ以上が大型で、釣り上げてハリのチモトを持ったときに尾ビレが肘を打つ長さなのでヒジタタキとも呼ぶ。30センチを超えたら超大型だ。ヒジタタキは「肘打ちの鱚」という表現もある。
ほかにも大型魚を示す言葉に「座布団ガレイ」「ビールサイズのアイナメ」などがあるが、アイナメの「ポン級」はビール瓶を1本、2本と数えることからの呼び方らしい。一般にポン級は40センチ前後、50センチを超すと同じ1本でも一升瓶に基準が変わる。
※週刊ポスト2013年4月5日号