夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、医薬品メーカー勤務のご主人(45歳)の奥様(47歳)から。テレビが大好きなご主人の発案で、テレビを買い換えました。
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今までのテレビは、同時間帯に1番組しか録画できなかったんです。仕事で時々帰りが遅くなる主人は「あの番組も見たかったのに」と残念がっていたので、2番組同時や翌日の予約録画ができる新しいテレビに大喜び。
朝の日課は、トイレで、新聞のテレビ欄の録画する番組に丸印をつけること。「『赤い霊柩車シリーズ』の片平なぎさ、大好きなんだよなあ。2時間ドラマの女王!」「十津川警部に浅見光彦。オッ、BSでは『火曜サスペンス』の再放送だ」サスペンスドラマに時代劇など、1日数本、10時間以上も録画します。
でも、見るのはどんなに頑張っても1日4時間ほど。録画はどんどん溜まり、ついに容量いっぱいで、予約録画できなくなりました。「録画したいのなら、これまでのを消去しないと」「何をいうんだ。せっかく撮ったのにもったいない」
その夜は「消すのはもったいない……」と寝言をいっていた主人。翌日になると、「名案がある。もう1台、テレビを買おう!」って、そのほうが何十倍ももったいないわよ!
※週刊ポスト2013年5月3・10日号