何気なく使っているけれど、意外と知らない洗剤と柔軟剤の仕組み。知らずにやっていたあなたの間違いや疑問をプロが解説&アドバイスします。
教えてくれたのは、消費生活アドバイザー/繊維製品品質管理士の工藤千草さんと日本石鹸洗剤工業会広報部長の渡辺健さん。
Q:柔軟剤だけでは汚れは落ちないの?
A:柔軟剤は衣類の表面にくっついて繊維を柔らかくしたり、静電気を抑えたりする働きを持つ洗濯後の「仕上げ剤」。
「衣類の肌触りがよくなり、空気中のホコリや花粉が衣類につきにくくなりますが、汚れは落とせません。洗剤で汚れを落としてから使います」(渡辺さん)
Q:洗剤と柔軟剤を同時に洗濯槽に入れてもいい?
A:「洗剤は-、柔軟剤は+の電気を帯びているので、同時に入れるとくっついてしまい、どちらの効果も失われます」(渡辺さん)
「このような間違った使い方をするかたが増えています。柔軟剤を洗濯機の専用投入口に注げば、すすぎの際に投入されます」(工藤さん)
Q:洗剤は粉末と液体で洗浄力は違うの?
A:「基本的な洗浄力はどちらも同じですが、粉末は皮脂や食べこぼしなど“ガンコ汚れ”を落とす酵素を含んでいるものが多いのです。液体でも酵素が入っていたり、においや菌に対応したものがあるので、粉末や液体という形状ではなく、パッケージに書いてある特徴を見て、家庭の汚れに合うものを選んでください」(工藤さん)
Q:洗剤の量を増やせば洗浄力も上がる?
A:汚れを落とす「界面活性剤」はある程度の濃度になると、洗浄力はほぼ一定になる。適正使用量の2倍入れても洗浄力が2倍になるわけではないので、入れすぎは洗剤とすすぎ水の無駄に。
「濃縮洗剤はわずかな入れすぎが無駄につながるので、特に使用量を守ることが大切です」(工藤さん)
Q:入浴剤入り残り湯を使用すると柔軟剤の香りは弱まる?
A:「入浴剤入り残り湯は洗濯時の使用はOKですが、すすぎ時の使用はNG。残り湯中の汚れや入浴剤の香りが洗濯物に付いてしまいます。また柔軟剤はすすぎ時に入るので、柔軟剤と一緒に汚れがついたり、入浴剤のにおいが柔軟剤の香りを邪魔したりします。入浴剤の色素と反応し洗濯物に色がつくことも」(工藤さん)
※女性セブン2013年11月28日号