切ない映画を観て涙を流し、日頃のストレスを発散する人も少なくないだ。こうしたストレス発散方法に着目し、話題となっているのが「涙活」だ。これは、皆で集まって泣ける映画やドラマを観て、積極的に「涙を流す」イベントだ。
しかし、実際に「涙活」に参加した人の中には、「どうしても泣けなかった」と話す人もいる。会社員の男性Aさん(40代)は次のように話す。
「先日はじめて参加しました。参加してすぐに『泣語(なくご)』が始まりました。話者が一人で落語のように泣ける話をするのですが、全然泣けず、せっかく泣きに行ったのに拍子抜け。終いには話している本人が演技っぽくすすり泣き始めたので、その演出は辞めた方がよいな、と思いました」
無理矢理泣かせようとして、過剰な演出をする例もあるようで、大学生の男性Bさん(20代)も、自身が参加した「涙活」の内容に苦言を呈している。
「『泣ける動画』の総集編という触れ込みだったのですが、実際に放映されたのは、今まで観たことがある動画の『泣けるシーン』がぶつ切りで編集されていたもの。全然泣けなかったどころか、好きな作品が侮辱されているようで辛かったです。
例えば『ほたるの墓』で妹を火葬するシーンだけ流れたと思えば、すぐ次に『フランダースの犬』のラストシーンが流れたりと、コンテンツ自体に疑問を感じました。無料だったのでそれだけが救いですが……」