夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回は寄せられたのは、ご主人(57歳)がアパレルメーカー勤務の奥様(56歳)。初孫は2歳の女の子です。
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夫は男4人兄弟の3番目。ずっと男子校で私たちの子供も男3人。小さい女の子と接した経験がほとんどなく、孫の前では緊張して体がこわばっています。話しかける時も「ほ、ほら。おじいちゃんだにょ」。さっそく噛んでます。
赤ちゃんの時、嫁が「お義父さん、抱っこしてあげてください」というと「い、いや、やめとくよ」。私が「大丈夫よ」と強引に抱っこさせると、カチコチで少年のように顔を赤らめます。
日曜日、息子夫婦が2歳になった孫を連れて我が家へ遊びに来たので、「お風呂に入れてあげたら?」というと、「じょ、冗談じゃない!」。後ずさりする夫の背中を押して、無理矢理、孫と一緒に入らせました。でも、5分もしないうちに「出るぞ!」、そして「寝る!」。
「どうしたの?」と聞くと「2歳なのにもう、うなじが女の色香なんだよ。『成長したら、他の男と一緒にお風呂に入るのか』と思ったら、せつなくなってさ……」。2歳でこれです。
「不貞」じゃないのに、孫のことでふて寝する夫です。
※週刊ポスト2014年6月27日号