ビジネス

サークルKサンクスの身売り報道「当面はあり得ない」と識者

コンビニ業界4位のサークルKサンクス

 いまやコンビニエンスストアは全国で5万店を突破し、飽和状態との見方が強まっている。そんな中で降って湧いた業界再編の話だけに現実味があったのかもしれない。

 事の発端は、読売新聞が7月16日に「大手流通業であるユニー・グループホールディングス(HD)傘下で、コンビニ業界4位のサークルKサンクスが売却を検討している」と報じたことにある。

 しかも、売却先について「競合する複数の企業に水面下で打診を始めた」と書いたために、セブン―イレブン、ローソン、ファミリーマートの上位3社にもマスコミや関係者からの問い合わせが殺到したという。

「伊藤忠商事がユニー・グループHDの株式を3%保有しているので、同じく伊藤忠が37%出資するファミリーマートに売却するのでは? との憶測も出たほど」(経済誌記者)

 だが、なぜか読売以外の全国紙はこの件には触れず、ユニー・グループHDも<複数の企業に対して、サークルKサンクスの売却を打診した事実はなく、売却を検討した事実もない>と、繰り返し完全否定のコメントを出したことで、真相はうやむやになっている。

 同社の言う通り、「当面、売却することはあり得ない」と予測するのは、コンビニ業界の専門紙『コンビニエンスストア速報』編集長の清水俊照氏だ。

「確かにコンビニは過当競争を続けていますが、いまの消費傾向は“遠くのスーパーより近くのコンビニ”のほうが集客力も高く、コンビニは小商圏でミニスーパー化を推し進めるなど、まだまだ伸び代はあります。

 サークスKサンクスもご多分に漏れず、6月に生鮮野菜などを取り扱う『サークルKフレッシュ』や、カフェ併設型の店を相次いでオープンさせるなど新業態に力を入れだしました。そんな矢先に後ろ向きな売却を検討しているとは到底思えません」(清水氏)

 ユニーグループ全体にとっても、郊外にある大型GMS(総合スーパー)のユニーよりも、都心部で小回りの利くサークルKサンクスを強化したほうが効率的に稼げるはず。前途有望なコンビニ事業をみすみす手放すのは得策ではない。

 しかし、“火のないところに~”の諺どおり、近年、サークルKサンクスの業績不振が売却の噂をくすぶらせ続けていたことも、また事実だ。

「既存店の売上高がふるわず、上位3社との差が開く一方でした。その要因のひとつは、サークルKとサンクスが合併して10年もたつのに、いまだにブランドの統一がなされていないために、相乗効果が発揮できていないことが挙げられます」(前出・清水氏)

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
外交ジャーナリスト・手嶋龍一氏(左)と元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が対談
【手嶋龍一氏×佐藤優氏対談】第2フェーズに突入した中東情勢の緊迫 イランの核施設の防空網を叩く「能力」と「意志」を匂わせたイスラエル
週刊ポスト
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン