ビジネス

経営危機のスカイマーク 羽田枠目当てに「争奪戦」の可能性

スカイマーク救済に名乗り?(エアアジア・ジャパンの経営陣)

 欧州エアバス製の「スーパージャンボ機(A380)」6機の納入を“ドタキャン”するなど深刻な経営危機に陥っているスカイマークは、この先一体どうなってしまうのか。

 現状では成田空港を発着する路線からの撤退や、最大69%となる普通運賃の値上げを矢継ぎ早に決めるなど収益回復に努めようと必死だが、所詮は「焼け石に水」なのかもしれない。

 そこで、他社の傘下入りも囁かれる中で出てきたのが、日本経済新聞が8月19日に一面トップで報じた「エアアジアによる救済検討」だ。

 エアアジアといえば、来年夏に日本への再参入を表明しているマレーシアのLCC(格安航空会社)で、日本法人の出資者には楽天やノエビア、アルペンといった異業種も名を連ねる。

「エアアジア・ジャパンは中部国際空港を拠点に国内・国際線を順次就航させる予定だが、3500万人規模の後背人口を誇る成田・羽田の首都圏空港と比べると半分以下の集客しか望めない。そこで、ドル箱路線の羽田に36の発着枠を持つスカイマークは喉から手が出るほど欲しいはず」(経済誌記者)

 しかし、エアアジアグループを率いるトニー・フェルナンデスCEOはツイッターで「スカイマークに興味はない。われわれは新会社に焦点を絞っている」と日経報道を否定。真相は藪の中となっている。

 スカイマークの経営権を手中に収めたいと狙っているのは、なにもエアアジアばかりではない。大手航空会社の関係者は、あらゆる可能性を指摘する。

「国内では中堅の航空会社を系列に収めながら羽田や成田のシェアを守ってきたANAも、LCCの台頭で利益先細りの危機感を抱いているため、スカイマークの羽田便には魅力を感じているはず。

 海外エアラインがスカイマークとアライアンスを組む選択肢も否定できません。

 例えば日本の会社と提携していないデルタ航空(アメリカ)や、他社への資本注入に積極的な中東(本拠はドバイ)のエミレーツ航空はエアバス機の“お得意様”。スカイマークのキャンセル機の買い取りを打診して日本参入の足掛かりにしてもおかしくありません」

 スカイマークの西久保慎一社長は7月末の会見で、

<どんなに会社を縮小しても、負債を背負うことになっても、独立した形で経営したい>

 と、他社の救済を仰がずに生き残りたいとする気概を見せていたが、もはや独立経営を継続する道は閉ざされてしまったのか。

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン