ビジネス

株式市場で注目 日本ならではの強み持つクールジャパン銘柄

 堅調な展開が続く日本株だが、ここから値上がりが期待できる個別銘柄はどこにあるのか。著書に『ゼロからはじめる株式投資入門』がある、フィスコ・リサーチレポーターの三井智映子氏が解説する。

 * * *
 アベノミクスの成長戦略が実践される時期となり、その成長戦略の恩恵を受けて成長性が高まりそうなセクターがまず注目される。中でも、日本ならではの強みを持つ製品、コンテンツを輸出して海外に認められている「オンリーワン企業」「トップシェア企業」は、日本の魅力を海外に発信していこうという、安倍政権が進める「クールジャパン」戦略の追い風もあって投資家の注目を集めそうだ。

 そうした中で、HDD用モーターで世界シェアトップという強みを持ち、海外売上高比率が81%で年末にも到来しそうな、さらなる円安局面も追い風となる日本電産(東証1部・6594)に注目したい。

 2015年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比13.7%増の2401億円と四半期ベースの売上高としては過去最高を更新し、営業利益も同41.6%増という大幅増益で着地。エアコンや車載向けモーターなどの好調に加えて、車載部品メーカー2社の買収や為替の円安なども寄与した。

 第1四半期が期初予想を大幅に上回る進捗となったため、同社は決算発表と同時に、第2四半期および通期業績予想、並びに中間および期末配当予想を上方修正し、通期売上高予想は期初の9500億円から9600億円に、年間配当予想は5円増配の60円に引き上げた。この好業績を受け、同社の株価は年初来高値を更新したが、各証券会社は目標株価をさらに一段高い水準に引き上げている。

 高収益・高成長の方針のもと第2次高度成長戦略の推進成果が結実しており、今後しばらくは好業績が続くことは間違いないと思える。株価チャートを見てもきれいな上昇トレンドを描いている。世界的に高い技術力を持つ銘柄は、特に外国人投資家の物色が続くと思われ、持続的な株価上昇が期待できそうで、長期保有をしても安心感があると見ている。

 その他の銘柄では、生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画(東証1部・7453)に注目。日本ならではのブランディング力の強みを世界に知らしめており、「隠れたクールジャパン銘柄」として狙ってみたい。

 業績は好調で、2015年2月期第1四半期決算は営業利益が前年同期比15.6%増の66億2400万円となり、第1四半期としては過去最高となった。レトルト食品の強化が奏功し、昨年のテレビ放映などを受けてカレーが人気化するなど、食品部門が牽引した。株価はすでに高値圏で推移しているとはいえ、まだ上昇余地は大きいと見る。

※マネーポスト2014年秋号

関連記事

トピックス

二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
4月3日にデビュー40周年を迎えた荻野目洋子
【デビュー40周年】荻野目洋子 『ダンシング・ヒーロー』再ヒットのきっかけ“バブリーダンス”への感謝「幅広い世代の方と繋がることができた」
週刊ポスト
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン