今年のGWは全国各地で暑い日が続いている。4月28日には全国19か所で真夏日を記録。早くも夏の足音が聞こえてくるこの季節に、いま「フレーバーウォーター」が人気を集めている。
フレーバーウォーターとは、ミネラルウォーターに果汁やスパイスなど少量の味を付けた飲料のこと。無色透明だが、ほんのりとした風味があって甘すぎない。健康志向が続くなか、ミネラルウォーターの“兄弟分”は、手に取りやすい商品のようだ。新商品も続々登場し市場は賑わいを見せている。
最近登場した「フレーバーウォーター」として記憶に新しいのは、サントリーの「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」だろう。4月14日に発売されるも、ヨーグルトというかつてない味に大きな注目が集まった結果、注文量が想定を大きく上回り、生産が追いつかないために17日に出荷停止とさた(再出荷時期は今のところ未定)。
日本コカコーラ社のミネラルウォーター「い・ろ・は・す」シリーズにも様々なフレーバーウォーターが登場している。今年4月に「い・ろ・は・す アロエ」が登場、5月から「い・ろ・は・す トマト」が発売された。「い・ろ・は・す トマト」には、トマト生産量全国1位の熊本県産トマトが使用されているという。
上記二つのフレーバーウォーターについて、飲料総研の宮下和浩取締役は共通する特徴を指摘する。
「フレーバーウォーター人気はここ数年続いていて、新しい商品が次々に登場していますが、その多くはフルーツ味でした。90年代に大ヒットとなった『桃の天然水』(JT)に代表されるように、レモンやみかん、マスカットなどですね。フルーツ味は一巡した感があったのですが、ここへ来て、ヨーグルト味やトマト味など、フルーツ以外にも広がりを見せてきた。このインパクトが、注目を集める一因となっていると考えられます。
新しい味を楽しみたい、ただし、健康には気を使いたい、と消費者は考えているのです。フレーバーウォーターは、味はついているけれど“無色透明”。これが目に見えて良いイメージを生み出しています。
また、ヨーグルト飲料やトマト飲料をたくさん飲むのは難しいですが、フレーバーウォーターであれば、基本的に水なので、量が飲めるんですね。猛暑が続く最近の夏の水分補給に適しているともいえます」