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大阪の街から人が消えた日 不発弾撤去で2200人避難の大移動

大阪で不発弾撤去のため2200人が非難の大騒動

 70年の時を経て発見された戦争の遺物により、普段は観光客や買い物客で賑わう大阪・ミナミの街が静寂に包まれた。

 5月9日、南海電鉄難波駅近くのマンション建設現場(大阪市浪速区日本橋)で不発弾の撤去作業が行なわれた。今年3月に発見されたこの不発弾は、太平洋戦争時に米軍により投下された2000ポンド普通爆弾である。直径約60センチ、長さは約1.8メートルあり、地表でさく裂した場合、その破片は約1キロの範囲にまで飛散するという。

 朝7時より現場から半径300メートルが立ち入り禁止とされたこの日は、住民約2200人に避難要請が出され、近くの商業施設「なんばパークス」や場外馬券売り場「ウインズ」も閉鎖。警察官などが規制にあたる中、事態が飲み込めないといった様子で立ち入り禁止区域から出ていく外国人観光客の姿もあった。

 撤去作業は午前8時前に始まり、陸上自衛隊の第103不発弾処理隊が弾頭と弾底部分に残っていた信管を除去。9時36分にクレーンで現場から無事に搬出した。

 年平均50トン以上が発見されている不発弾。“戦争の傷跡”は今なお日本中で眠っている。

■撮影/山崎力夫

※週刊ポスト2015年5月29日号

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