「仕事柄色々なマンガを読んでいますが、久しぶりに『これは多くの人に売りたい、読んでもらいたい』と思えたのが『ギャングース』(肥谷圭介・鈴木大介/講談社)です。親に恵まれずさまざまな理由で少年院に入った少年たち、いわゆる『ストリートチルドレン』と呼ばれる若者たちの物語です。
少年院で仲良くなった少年3人組が、社会に出て生きて行くことの困難さに直面する。お金もないし身寄りもない。そこで、悪徳な犯罪者たちから収益金を奪う、通称『タタキ』をして生きていこうと決意します。
テレビなどで少年犯罪が報じられることはあっても、彼らの生い立ちや背景にある貧困、親の問題などはあまり触れられませんが、『ギャングース』はマスコミで報じられない部分までしっかりと描いています。
正統派の社会派マンガであるだけでなく、ギャグ要素もあって娯楽としても楽しめる。作画を担当している肥谷さんの作画センスには圧倒されます。こういう作品が出てくれると、まだまだ漫画業界は終わっていないんだと実感しますね」(Cさん)
「マンガだから……」なんて、読まず嫌いだともったいない。社会派マンガを読めば、様々なニュースの背景にどんな問題が潜んでいるのか、より理解が深まるようになるだろう。