チンして自ら用意するつまみが客にうけている
そんな地元サラリーマンに混じって、同意見で後押しするのが、途中下車サラリーマン。「僕が大事にしている世界が3つあります。埼玉の我が家、銀座の会社、そして池袋のこの店です。1週間に1度ここに来て、このご夫婦の元気な姿を見せてもらうと僕も1週間元気でいられるんですよ」(50代、不動産業)
そんな彼らの間には、密かな楽しみがあるという。それはつまみだ。
「冷凍庫に旨(うま)イカとかシュウマイといったいけるつまみがいろいろありましてね。ご夫婦が揃えた食器を使って自分たちでレンジでチンして食べるわけです。これはラップをして何分、これはラップ無しで何分とちゃんと説明を書いてくれているんだけど、あえて、ここでお母さんに助言を求めたり手をわずらわせたりするんです(笑い)。これがうれしいんですよ。さらにおいしくなるんですよ」(40代、IT系)
そのレンジでチンしたつまみを食べながら合わせる人気の酒は、タカラ焼酎ハイボールだと、常連客は微笑む。
「僕なんか、これが新発売になったときから飲んでいますよ。甘くないじゃないですか。うれしくなる辛口だもの。この店の客の辞書には“とりあえずビール”って言葉はないですね。最初からこれ、酔ってきてもこれっていう人ばっかりです。ああ、今日もまたいつもと変わらないおいしさです」と言いつつ、前出の4人連れはのどを鳴らしていた。