国内

人気の公立中高一貫校 その特徴とチェックすべきポイントとは

中高一貫校には、リキュラムも独自のものがあるところが多い

 学費の安い公立で、高校入試がなく6年間一続きで教育が受けられる。そんな公立中高一貫校が人気を集めている。学校によっては合格倍率が10倍を超えることもあるが、新しい教育制度のため、実態がなかなか見えてこないという声も。公立の中高一貫校には、どんな特徴があるのか。

 書籍『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』を上梓した学校教育ライター佐藤智氏にその魅力と内情を聞いた。

* * *
 現在存在する、少なくない数の職種が20年後、30年後にはなくなっているといわれています。つまり、「こんな仕事に就かせる」という教育には、もはやあまり意味がなくなっているのです。未来が予測できない社会においてどんな教育が必要か……それは、いかなる状況においても自分で考え、すべきことを見つけて推進できる力を養う教育だと思います。

 公立中高一貫校の大きな魅力は、そうした新たな社会の中で道を拓く力を養おうとしている点にあります。

 6年間という期間があるので、大学入試対応のためだけの学力育成だけでなく、思考させたり他者と協働させたりする時間を十分に確保することができます。また、適性検査(公立中一貫校の入学テストのこと)では、国語・算数など各教科の知識を問うのではなく、教科横断的な問題が出されて、子どもの「考える力」が測られます。どんな人間に育てていきたいかというメッセージが入学段階で示されているのです。

 公立のため私学と比較して学費が安いという点や、大学進学実績が堅調な点ももちろん魅力の一つですが、実際に学校が行っている教育内容に目を向けることで、お子さんと公立中高一貫校の教育が合致しているかを推し量ることができます。

 確認事項としては、例えば、以下のようなことが挙げられます。

・中高一貫校ならではのカリキュラムを作成できているか
・行事や部活動は6年一貫の強みを生かしたものになっているか

 学校で教える内容は学習指導要領で定められていますが、公立中高一貫校の場合、例外措置が認められています。そのため、学校の特色をより強めた授業が行えます。具体的には、「グローバル教育」や「理数教育」など、各校の教育方針に合わせて特別な授業が設定できます。こうした授業が実際に実施されているかどうかを、学校の授業公開日などに行って確認するとよいでしょう。

 また、中高一貫校では中高生が一緒になって行事や部活動をつくり上げることが多いので、一般の学校よりも規模は大きくなります。中学生は高校生を見てより成長を促されますし、高校生は中学生を引っ張っていくことによりリーダーとしての意識を養うことができます。実際に、学校に行事を見学しにいくことで、どんな人間教育が成されているかを垣間見ることができるはずです。

 10月は公立中高一貫校の学校説明会が多く開かれる時期。確認すべきポイントを踏まえて学校に足を運んでみると、志望校を固めていくきっかけになるでしょう。子どもと学校のミスマッチを防ぐためにも、親御さんがよりシャープな「学校選択の視点」を持っていくことが重要になっていくのではないでしょうか。

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン