都市圏への人口流入などを背景に、狭い敷地で多くの遺骨が収容できるビル型の「納骨堂」の新設が相次いでいる。田舎までお墓参りに行くのが面倒、草むしりが大変──そんな悩みはもう過去のものだ。
「雲龍院 龍華堂」は関西初のコンピューター制御の自動搬送式室内墓苑だ。納骨庫の総区画数は1200、価格は1区画88万円(永代供養付、年間管理費などが別途1万3000円)。宗旨・宗派は問われない。
1区画128万円の特別永代供養付の区画を購入すると、「和室(特別参拝室)で墓参り」が可能になると同時に、位牌が本堂(龍華殿=重要文化財)に祀られて朝夕勤行も行なわれる。
指定された棚の中に遺骨を納める「ロッカー式」の納骨堂も普及している。扉つきの収蔵庫が並び、お参りする際には施設のスタッフに遺骨を引き出してもらうことになる。安いものだと30万円ほどのものもある。
扉の内側に骨壺だけを置くタイプや、位牌や花なども一緒に供えられるタイプのものがある。最上段や最下段など、使い勝手が悪い位置は値段が割安になる場合もあるという。
納骨する場所に参拝壇がしつらえられている納骨堂は「仏壇式」と呼ばれている。ロッカー式のように納骨スペースが「上下」に並ぶことは少ない。多くの場合、位牌と骨壺を別々に納めるスペースがあり、本尊、燭台などが置けるところもある。
ロッカー式より墓としての機能が充実しているため、その分価格も50万円ぐらいからと割高になることが多い。
※週刊ポスト2015年12月25日号