若者が行き交う、夜の渋谷。道玄坂から1本入った通りに、ちょっと変わった店長がいるバーがある。
「おっす、おら、サウンドバー・リップの店長、悟空! よろしくな!!」
出迎えてくれたのは、鼻ぺちゃのルックスが愛らしいボストンテリア。悟空店長に導かれてソファに座ると、今度は人間のイケメン店長が、メニューを持ってやって来てくれる。
「うちの店のオリジナルカクテルなんてどう?」
悟空に言われてメニューを開くと、そこにはトイプードル、シーズー、チワワなど犬の名前がついたカクテルがズラリ。店内には悟空がモデルの絵が飾られ、サウンドバーというより“ワンコバー”といった趣だ。
「リップはペット同伴OKだから、犬を連れてくるお客さんも多いんだよね」
悟空が夜の渋谷で働くようになったのはまだ子犬だった10年前。誰が教えたわけでもないのに、お客さんがやってくると隣に座り、お相手をする。特技は、ハイタッチと、チューで、「女性のお客さんだと、ついつい張り切っちゃうんだよね(笑)」とのこと。
「勤務時間は夜8時から翌朝5時まで。だから深夜はイビキかいて寝ちゃうんだけど、それもいいサウンドだって評判いいんだよ!」
【プロフィール】
名前:悟空 ♂
年齢:10歳
種類:犬(ボストンテリア)
勤務先:SOUND BAR LiP
職種:接客業。
主な仕事内容:週に5~6日出勤して、お客さまのお相手をする。
お給料:オヤツにもらうジャーキー。
好きなこと:お散歩! 代々木公園に連れて行ってもらうと張り切っちゃう。
嫌いなこと:泳げないので、水が怖い。海も川も水鉄砲も、怖い…。
現在の悩み:子犬のころから店では吠えないようしつけられたので、無口になってしまった。もっとおしゃべりしてみたい!
将来の夢:かわいい犬のカノジョが欲しい。
■撮影:山口規子
※女性セブン2016年3月10日号