果たして、同社の狙い通り、世界中の富裕層やVIPが泊まるホテルとして定着するのか。経済誌『月刊BOSS』編集委員の河野圭祐氏がいう。
「世界で見ればプリンスホテルのブランド力は低いものの、ザ・プリンスギャラリーは外資系高級ホテルの米スターウッドホテル&リゾート ワールドワイドと提携し、その最高級カテゴリーである『ラグジュアリーコレクション』に加盟しました。
スターウッドは全世界に2000万人を超える富裕層の会員を持つ巨大ホテルグループなので、そのノウハウやネットワークを利用してアジアや欧米などから富裕層を誘致できるメリットは大きいでしょう」
しかし、ここまで高い宿泊料で外国人客にターゲットを絞ったホテルとなると、往年の赤プリファンや国内の旅行者は利用しにくくなるのではないか。
「赤プリの跡地は都内で最も好立地なので、プリンスホテルのフラッグシップとして世界に発信していく役割を期待しているのでしょう。敷居が高いという人には品川や芝のプリンスもありますしね。
ただ、こうした都内高級ホテルの本当の真価が問われるのは、オリンピックが終わった2020年以降。膨れ上がった富裕層のパイが縮小することで、優勝劣敗がはっきりしてくるでしょう」(前出・河野氏)
くしくもザ・プリンスギャラリーがオープンする1週間前(7月20日)には、星野リゾートが東京・大手町に1泊7万8000円~の「星のや東京」を開業する。やはり外国人ビジネスマンなどをターゲットに「和」のコンセプトを強調した高級旅館だ。
今後、日本のホテルブランドは国際都市・東京のホスピタリティーをどこまで高め、維持することができるのか。