野菜や魚には季節がある。出荷が始まる「走り」、食べ頃の「旬」「盛り」、終盤の「名残り」…。栄養価は最大、価格は最安となる、旬から名残りにかけての“最旬”食材を楽しむコツを、家庭料理研究家の松田美智子さんが紹介します。
かつおには春と秋の2度、旬がある。5月ぐらいから本格的な水揚げが始まり、今、最盛期を迎えているのが「初がつお」。脂が少なく、身が引き締まり、まさに今食べなきゃ大損!かも。
ビタミン類やミネラル類の宝庫で、レバー並みの貧血予防力を誇る。また、良質なたんぱく質、コレステロール値を下げる作用があるタウリンやDHAも豊富に含む。しかも脂肪が少なく低カロリー。女性こそ積極的に食べたい魚だ。
さくは身が赤黒いものや光にかざすと虹色に光るものは避け、透明感のある赤色のものを選ぶこと。そもそも黒い血合いだが、黒さの中にも赤みを感じるものは鮮度がよい。丸ごと一尾買う場合は、目が澄み、縞模様が鮮明なものを。尾びれ近くの背中がざらついているのは新鮮な証拠。
「『目に青葉 山ほととぎす 初がつお』(山口素堂)と、江戸時代に歌われた初がつおは、粋を重んじる江戸っ子にも『女房質に入れても初鰹』といわれるほど愛された春の風物詩です。新鮮で安価な今の時期、脂が控えめだからこそ試したいのが、フライパンで簡単に作れるステーキ。火を通すことで旨みがギュッと身に凝縮され、大きく切ればごちそう感満点。シャンパンやワインとの相性も抜群です」(松田さん)
さっそくオススメの『かつおのステーキ』のレシピを確認してみよう。
【作り方】
(1)かつおのさく300gは塩こしょうし、茶こしで薄力粉を薄く全体的にふっておく。
(2)フライパンにスライスしたにんにく1片、オリーブ油大さじ3を入れて弱火にかけ、フライパンを傾けてにんにくを薄いきつね色に揚げて取り出す。
(3)(2)のオイルを中火で熱し、かつおを入れる。すべての面に焼き目がつくよう7分ほど蓋をして焼き、フライパンの中の油を大さじ1ぐらい残してキッチンペーパー等に吸わせる。
(4)しょうゆ・赤ワイン各大さじ3、こしょう少量を加えてかつおにさっと絡めて火を止める。
(5)かつおを取り出して1cm幅に切り、せん切りにした大葉?束、薄切りにしたみょうが2個とともに盛る。(4)のソースを少量回しかける。
※女性セブン2016年7月7日号