生活の様々な局面でことあるごとに要求される「手数料」──何気なく支払っているが、よくよく調べてみると「なぜ払わねばならないのか」「なぜその金額なのか」の根拠は理解しかねるものも多い。
例えば、スポーツクラブの「入会手数料」も釈然としない料金のひとつ。施設によって違いはあるが、入会時に4000~6000円の手数料が入会金とともに取られるケースが多い。
スポーツクラブ大手のコナミスポーツは2013年、入会時の事務手数料6300円を廃止。新たに「会員証発行手数料」として1050円を徴収するという、事実上の値下げに踏み切った。
消費者には朗報だが、一方で“会員証発行以外にかかっていた手数”にかかっていた差額の5250円とは一体何だったのかという疑問も残る。コンサートやイベントのチケット購入に取られる手数料にも疑問の声が上がっている。
チケット販売大手のイープラスでは、例えばコンサートチケットをインターネットで購入し、銀行振込で代金を支払う例を考えると、チケット代とは別にサービス料302円、システム利用料216円、振込手数料216円、店頭発券利用料108円の合計842円が加算される。
「チケット販売で利益を得ているうえに、全ての業務コストを購入者に負担させるっておかしくないですか」(30代会社員)
各料金がかかる理由をイープラスの広報担当に問い合わせたが、本稿〆切までに回答は得られなかった。
※週刊ポスト2016年9月9日号