日銀が7月29日の金融政策決定会合で発表した金融緩和策が、日本株の価格形成に大きな影響を与えている。ETF(上場投資信託)の買い入れ額を年間3.3兆円から6兆円ペースにほぼ倍増させると発表したことで、“下がりにくい反面、上がりにくい”相場環境を生み出しているのだ。9月1日に発売された『マネーポスト』秋号の中で、カブ知恵代表・藤井英敏氏は、こう解説している。
「相場環境がどうであろうと日銀が買い支えるわけだから下値リスクは激減します。とはいえ、株価が上がるとGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめ機関投資家のリバランスや個人投資家の売りも出てくる。必然的に上値も限定的となってきます」
藤井氏は当面の日経平均について、「1万5000~1万8000円の圏内で推移するのではないか」と予測している。
こうしたボックス相場で利益を出すには、小刻みなトレードをしてこまめに利益確定することが必須となる。とはいえ、こうした相場環境でも一発勝負が可能な大化け株はある。直近では世界的な大ヒットとなったスマートフォン向けゲーム『ポケモンGO』効果で株価が急騰した任天堂などがその典型だ。成長分野には確実にマネーが流れ込んでいることがわかるだろう。
では今後、どんな株に上昇期待が高まるのか。『マネーポスト』では、前出の藤井氏をはじめ、専門家たちが独自の視点で厳選した「10万円台から買える」魅力的な銘柄の数々を紹介している。今後も成長期待の『ポケモンGO』関連をはじめ、再生医療、越境EC(電子商取引)、IoT(モノのインターネット)などが、市場の有力テーマとして注目されている。
※週刊ポスト2016年9月16・23日号