真ん中に段差ができず、ベターッと開く。ありそうでなかったこのノートを開発したのは、東京都・北区の印刷会社の中村輝雄さん(73才)と、中村博愛さん(80才)。
実は5年前に博愛さんの製本所が倒産し、昔なじみの輝雄さんの印刷所で働くことに。2人は、「今まで誰も作ったことのない物を作ろう!」と、約2年かけてこのノートを開発した。どのページを開いても水平に開く秘密は、継ぎ目の接着。1冊1冊丁寧に手作業で製本する。
「特許は取ったけど、全然売れなくて在庫が膨らむ一方。貯金を切り崩す生活で、昨年の暮れに廃業しようかと話していたんです」(輝雄さん)
ところが、元日に奇跡が起こる。博愛さんの孫娘が、「おじいちゃんが作ったノート、欲しい人は差し上げます」。ツイッターでそう呟いたところ、3万件のリツイートが。「こんなの欲しかった!」と、元日から注文が殺到。3か月で売上は約6倍になり、10か月で約30万冊を売り上げた。
「この年まであきらめずにやってきてよかった」と、2人は笑う。その後大手文具メーカーと特許契約を結び、下町工場は現在フル回転!
見開きで使え、コピーしても中央が黒くならないと好評。ショウワノート『ジャポニカ学習帳』とのコラボも決定。水平開き・方眼ノート A4 335円、A5 230円、方眼メモノート 432円。
※女性セブン2016年11月10日号