その昔、犬といえば庭で飼うものだったが、今となっては室内で飼われることが多い。そうなると、どうしても気になるのが「におい」だ。愛知県に住む43才の女性は、こんな悩みを抱えている。
「2才のラブラドール・レトリバーを室内飼いしているのですが、散歩から帰るとにおいが気になります。トリミングには月1回通っていますが、自宅で頻繁に洗っていいものでしょうか? 正しいお風呂の入れ方を教えてください」(愛知県・ニコやん、43才、自営業)
このお悩みに、白金高輪動物病院総院長で予防医療にも力を入れている佐藤貴紀さんが、お答えする。
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キレイ好きな飼い主さんなら毎日お風呂に入れてあげたいと思うかもしれません。しかし、シャンプーをしすぎると、必要な皮脂まで洗い流してしまい、皮膚トラブルの原因になります。
一般的に犬の入浴は月1回が目安です。犬も乾燥肌、オイリー肌、アレルギーや皮膚炎など、肌の状態には個体差があるため、洗う頻度はかかりつけ医に相談を。この時、シャンプーの種類やシャンプー前にブラッシングが必要かなども確認しておきましょう。
◆まずは首から下。急に水をかけないこと
シャンプーをする時の注意点は、突然水をかけないこと。犬は、いきなり顔を濡らされるとびっくりしてしまうので、まずは首から下の部分から濡らしていきましょう。
シャワーの温度は、季節や年齢、皮膚の状態などにもよりますが、基本的には38℃前後がよいとされています。シャワーの水圧で被毛をかき分け、表面の毛だけでなく、皮膚までしっかりと濡らすことが大切です。
充分に濡れたらぬるま湯で希釈したシャンプー剤を2回分に分け、まずは、首から下の全身にかけます。1度目のシャンプーは脂分を落とすためのものなので、シャンプーが全体に行きわたったら、そのまますぐ洗い流します。
再度シャンプーをつけ、今度は背中の中心で毛を分け、左右を揉むようにしながら皮膚までしっかりと洗っていきます。腹部や指の間も忘れずに洗い、しっかりすすぎます。
◆頭は最後に。ドライヤーも重要
全身のすすぎが終わったら、最後に頭です。ぬるめの湯でシャワーの水圧はなるべく低くして行いましょう。犬はあごを固定させ、顔を上に向けておくと、落ち着くのでおすすめです。
湯で濡らしたら、希釈したシャンプーをつけ、鼻先、頭部、耳の順番で洗います。この時、目、鼻、耳の中に水が入らないようにご注意を。
洗い終わったら、仕上げに乾かします。生渇きだと皮膚炎になってしまうので、しっかりと乾すことが重要です。
犬の入浴は簡単そうに思えて、実は重労働。特に大型犬の場合、できればトリミングショップにお任せしましょう。
※女性セブン2016年12月1日号