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原油高 ドイツ経済凋落でオイルマネーは日本に向かう

原油高に伴いオイルマネーが日本へ(写真:アフロ)

 日米の株式市場が「トランプ相場」に沸いている。米国の株価は史上最高値を連続して更新し、年央に停滞した日経平均株価も年初来最高値を超え続けた。大型減税等を謳うトランプ政権の誕生と、同時進行する世界政治の変化にも、日本の株価に追い風となる動きが多い。

 英国のEU離脱決定に続いて、イタリアでも国民投票で大敗したレンツィ首相が辞任表明し、ユーロ離脱派が勢いを増している。欧州危機は世界経済のリスクといわれるが、日本経済にはプラスという指摘がある。金融系シンクタンクの研究員が語る。

「ドイツは2000年代初めまで高い失業率を抱えて“欧州の病人”といわれたが、EU統合で自動車をはじめ輸出を伸ばし、経済統合の旨味を独占してきた。しかし、フォルクスワーゲンは燃費不正が発覚、欧州最強といわれたドイツ銀行も経営危機に陥った。EU離脱ドミノは日本のライバルであるドイツ経済をさらに弱体化させる。日本の自動車産業などにはチャンスです」

 2016年9月末、OPEC(石油輸出国機構)は臨時総会を開き、加盟国が減産に合意。さらに12月10日には非加盟国も減産を表明したことで、原油価格が上がった。これも日本経済にはメリットとなっている。投資情報会社フィスコのアナリスト・田代昌之氏が語る。

「1年前に1バレル=25ドルまで下がった原油価格は50ドル台まで回復してきた。これで中東のオイルマネーが息を吹き返し、その一部が日本に流れるでしょう。日本株は彼らから見れば割安で好条件。すでに東証の『投資部門別売買状況』を見ると、それまで売り越していた外国人投資家が10月から買い越しに転じている。その原資の中心にあるのがオイルマネーです」

 世界の出来事が自然と日本に富を運んでくる。まさに“棚ぼた”なのである。

※週刊ポスト2017年1月1・6日号

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