芸能

菅原洋一 日本の童謡は私たちの文化財であり教材

いつの時代もホッとさせてくれるのが叙情歌

 1965年に発売した『知りたくないの』が大ヒットを記録して、1967年から22回連続でNHK紅白歌合戦に出場。大ヒット歌手が語る歌の心。菅原洋一(83才)が叙情歌について語る。

 * * *
 若いということは、エネルギッシュだよね。でも年をとると、そうじゃないものを求めていくようになります。基本的に日本語は、優しくって、思いやりがあって、心地いい。日本語は、少ない言葉で相手に心を伝えられます。「ありがとう」とかね。

 それに外国語よりも、表現が多い。例えば、夕日だったら、夕暮れ、日暮、黄昏、日の入り。そういう言葉で表せる。心に感じた思いを言葉で表せるんです。英語だったらサンセットしかありません。

 その日本語のよさを大切に丁寧に扱って作ったのが、明治、大正、昭和にかけてできた童謡であり、唱歌でした。今思えば、私たちの文化財で教材ですね。時代は変わり、いろんな歌があります。それはそれでいいと思うんです。

 今の時代は、みんな忙しい。せわしないでしょ。歩いていたのが、車ができて。恋愛でも、ラブレターを書いていたのが、今はメールです。スピード化になっています。だけど、人間は、本質的には変わらない。たまに休日に自然の中に自分の身を置いていると、ホッとするじゃないですか。叙情歌はそんな存在だと思います。

※女性セブン2017年3月23日号

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