詐欺、横領、賄賂など、犯罪者の中でもとりわけ嘘が巧みな知能犯を相手に、数々の事件にかかわってきた元刑事が、“嘘の見抜き方”を伝授。実際にプロが使う人間心理の見抜き方とは?
千葉県警察の刑事として約20年勤務、捜査二課・知能犯を担当。2011年に退職し、『刑事塾』を開講。嘘を見抜くスキルをビジネスに応用すべく、全国で講演や研修を行っている元刑事の森透匡(もり・ゆきまさ)さんに、嘘のしぐさ10か条について解説してもらった。
【1】汗をかく
自律神経は自分の力でコントロールできないので、心理が表れてしまう。顔が赤くなる、手が震えるなども。
【2】瞬きが多くなる
嘘をついているという緊張感により、瞬きの回数が2~3倍に増える。
【3】あごや鼻をよく触る
口元を隠したくなる心理の表れで、口まわりを自然とよく触る。
【4】目を閉じながら話す
だましている相手を見たくないため、目を閉じながら話す。目を手で隠す場合も。
【5】唾を飲む
緊張から口が乾いてくるので、唾をよく飲む。
【6】咳払いをする
言い訳を考える時間稼ぎをするため、咳払いをする。
【7】肩が揺れる
上半身の揺れは感情の揺れを表すという。縦に揺れる場合は承認、横に揺れる場合は否定を意味する。
【8】椅子に座り直す
緊張をほぐすため、体と物体が触れている部分を動かしてしまう。お尻と椅子以外にも、靴と床、肘と肘掛けなど。
【9】身振りや手振りがなくなる
嘘のつじつまを合わせようと頭に意識が集中して、上半身が硬くなり、身振り手振りが急になくなる。手をポケットに入れたり、腕組みしたりする。
【10】整理整頓のしぐさをする
心が乱れるので、身の回りのものを無意識に整え始める。ネクタイを締め直す、スカートのしわを伸ばす、机の上の文房具を揃える、めがねをかけ直すなど。
※女性セブン2017年4月13日号