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タカタ問題で安全神話崩れたエアバッグ 本当の実力と効果

◆エアバッグの種類

 補助装置としてのエアバッグが登場した当初は、ハンドルに頭を打ち付けて脳や顔面に損傷を負うのを防ぐためのものだった。

 そのため、ステアリング中央にエアバッグが仕込まれていたのだが、その後、衝突時の解析技術が高度化するにつれ、助手席用エアバッグ、側面衝突時の被害軽減のためのサイドエアバッグやカーテンレールエアバッグ、膝の負傷を防ぐためのニー(膝)エアバッグ、後席の頭周りを守るエアバッグ等々、さまざまなものが登場した。現在も360度保護に向け、商品開発競争が繰り広げられている。

 また、最近はボルボ、スバルなどが歩行者をはねてしまったときに固い部分に体の重要部分が強く打ち付けられるのを防ぐためのボンネットエアバッグを装備しはじめている。これは歩行者の被害軽減には大変な効能を有しており、世界的に広がっていくものと考えられる。

 四輪だけでなく、二輪の世界でもホンダが10年前に大型クルーザー「ゴールドウイング」でエアバッグを実用化した。登場当時、こんな剥き身で乗るものにエアバッグをつけて意味があるのかと思ったが、発売間もない頃にアメリカでエアバッグつきゴールドウイングが事故を起こし、エアバッグのおかげで胸部に致命傷を負わずにすんだという事例が発生したという。小型軽量・低コスト化ができれば、バイクにも装備する意味はあるのだ。

 どういうエアバッグを作れば役に立つかというアイデアは、ひたすら事故事例の研究に基づく。エアバッグのさらなる技術革新に期待したい。

■文/井元康一郎(自動車ジャーナリスト)

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