芸能

真矢ミキ タイで激安宿と最高級ホテルに泊まり悟ったこと

強烈に記憶に残っている旅について語る真矢ミキ

 2015年3月から情報番組『ビビット』(TBS系)のMCを担当している元・宝塚歌劇団花組トップスターの真矢ミキ。タイでの“3泊の旅”を振り返る。

  * * *
 今でも強烈に記憶に残っている旅の話。宝塚退団後初めて訪れたタイ。たった3泊の旅で、敢えてすべての宿泊先を変えてみた。毎日ホテルを変えるのは体が安まらないけれど、退団後また一から人生を始める当時の私の価値観を知るには最適な方法だと動物的に思い、動いた。

 3つの宿に泊まり、“そこでアナタはどう思う?”と自分に問いかけてみたかった。トップスターを終え、仕事は0になったものの、恵まれた時代の生活を0に戻す事は簡単ではなかった。だから、退団したら、ただの人、ただの人…と自分に言い聞かせ旅に出た。まず、

1日目は中級のホテル
2日目は激安宿
3日目は最高級のホテル

 に泊まってみた。

 中級→激安宿→最高級と味わって、いったい自分が何処で何をどう感じるか確かめたかった。結論から言うと、一番刺激的だったのは激安宿だった。最初に泊まった中級のホテルは、すべてが普通で感情も淡々とした。贅沢を求めなければ、食事もセキュリティも全ては守られていた。

 安定した生活とは、もしかしたらこういう事なのかもしれない。でも夫や子供もいない、あの頃の独り身の私には“普通”という空間が一番喜びを見出せない気がした。世間とのズレなのだろうか!? “一般的な常識、これは芸よりも大切な事”。これは昔から母によく言われた言葉だった。

 いつだって、“調子に乗りなさんな”と注意されてきた。決して派手ではない存在の私に、母は言い聞かすのだ。対人関係の大切さを知っているサラリーマンの妻であった事も大きかったのか? 未だにそれはわからないのだが。15年かけて男役トップスターになった時も“一人でも多くの人がトップを味わえるよう早く辞めなさい”と就任した直後の私に母は言った。母の言葉はいつも私のモチベーションを下げた。いつも母は冷静で普通だった。

 洋服の色なども白、黒、グレー、ベージュ以外私は見たことがなかった。“目立ち過ぎない、行き過ぎない”が、母のモットー。

 そんな窮屈な考えからはみ出したくて、私は敢えて目立ち、行けるところまで行ってみた。あの頃の母の年までは、あと10年くらい。私も“普通が一番”とそろそろ思い出すのだろうか。

 話は戻ってタイの旅2日目、私は安宿に移動した。部屋を開けて愕然! ベッドはシーツが汚れているし、毛布にも髪の毛がついていた。極めつきはドアの鍵がほぼ破壊されていて、中から鍵がかろうじてかかるくらい。

 さぁ、どう乗り切るものか…と、ここは冷静に、宝塚で培った生きる知恵を総動員させてみた。劇団では同室者有りの寮生活や、全国ツアーでのビジネスホテル泊が多かったので、与えられた境遇に対応する柔軟性はかなり高い。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン