「寝違え」は医学用語ではなく、正式名称は「頸部の捻挫」。急に発生して疼痛を伴い、首や肩甲骨の運動を制限されている状態をいう。上板橋LaLaPi整骨院の長沢透治院長が語る。
「寝違えの主な原因は、就寝時の姿勢。この時期、忘年会でお酒を飲みすぎてソファでうたたねしたり、こたつに入ったまま変な姿勢で寝てしまうと寝違えを起こしやすい。加えて“冷え”も大きな要因です。就寝時に布団がかかっていなくて体が冷えると、筋肉が固まってしまいます。目が覚めてその部位を急に動かしたとき、筋肉がビックリして炎症を起こすのです。軽い肉離れのようなもので、これからの季節は特に注意が必要です」(長沢院長)
一度寝違えると、短くても2~3日、長ければ1週間にわたって痛みが続く。長沢院長によれば、「寝具」と「寝返り」が寝違え予防のキーワードだと言う。
「就寝中に体を冷やさず、姿勢が固まらないようにするには、布団が落ちずに自然と寝返りが打てる環境でなければならない。仰向けや横向きで首まで布団をかけたとき、頭からつま先まで骨が一直線になるのがベストの体勢。枕は高すぎず、低すぎないものを選びましょう。マットレスを利用する場合、長く使っていると体のラインに沿ってへこむので要注意。低反発のマットレスでも沈みすぎると寝返りが打ちにくくなります」(長沢院長)
さらに、日本一有名な「あの体操」も、寝違え予防に役立つという。
「ズバリ、ラジオ体操です。『イチ、ニ、サン』と声を出しながら体操することで、内臓が動いて血液循環がよくなり、筋肉が温まる。ラジオ体操を続けると基礎代謝が上がり、自然に体温が上がるので、『冷え症防止』になり、寝違い予防にもつながるのです」(長沢院長)
実際に寝違えてしまった場合は、無理やり動かそうとせず安静にすること。
「患部が熱を持っていてズキズキと痛む時は、炎症が起きているので冷やすのが基本。小さな袋に氷を入れ、それをタオルで巻いて患部に当てます。ただし、20分以上続けると凍傷になるので気をつけましょう。熱やズキズキした痛みがなければ、血流をよくしてコリをほぐすために使い捨てカイロや温タオルで患部を温めます。こちらはどれだけ続けても大丈夫です」(長沢院長)
※女性セブン2018年1月1日号