正月に自宅の郵便受けに届く年賀状も、時代とともに変わってしまった。ファッションデザイナーのドン小西氏(67)は、こう憤る。
「最近は何もかもお粗末で年賀状も安けりゃいい、早けりゃいいで、安っぽいエステのチラシみたいなのが送られてくる。それよりもさらに“いい加減にしろ!”ってなるのが、メールで『明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします』って無機質な内容を送ってくる人だね。なんの“らしさ”も“味付け”もないから、どうせ同じ文面を色んな人に一斉送信してるんだろ……って丸わかりなんだよ。年始にそんなメールがいっぱいくるけど、そういう人には返信しないね」
芸能界から財界まで幅広い交遊をもつ小西氏のもとには毎年のように大量の年賀状が届く。ただ、最近は事情が変わってきた。
「芸能界でも年賀状の数は減ったし、凝った作品も少なくなった。僕は昔、携帯に4万7000人分の登録があったけれど、量より質をとって、280人に厳選したんだよ。歳を重ねると食事も、お姉ちゃんも、多くを食べられなくなるのと同じようなもので、交流が減っていくのは仕方がないこと。ただ、だからこそクオリティを重視するべきなんだよ。
せっかく年に一度だけ、自分らしさを凝縮させて、今年はこうしたいとアピールする絶好の機会。それがメールで、明らかに全員に同じことを送っているような内容だと、“クソくらえ!”って気分になる。そんなのはバレンタインの手抜きの義理チョコと同じだよ。ハートがないなぁと呆れて、友人関係もやめるかもしれない。一斉メールのように片手間に送ったものは、片手間にしか見られない。それだったらむしろ出さない方がマシだと思いますよ」
※週刊ポスト2018年1月1・5日号