国内

吸水性優れた泉州タオル “後晒し”の独自工程がポイント

毎年8月の最終日曜、関西国際空港内で泉州タオルを配布

 日本でタオルが作られるようになったのは、今から約130年前の1887年のこと。佐野村(現・泉佐野)で白木綿業を営んでいた里井圓次郎が、イギリスからの輸入タオルを参考に、織り機を開発したことから始まる。

「江戸時代よりこの一帯は綿織物の一大産地で、綿からとれる紡績糸で手ぬぐいを織っていました。明治になり、外国のタオルが入ってきたのを機に、風呂でも使える手ぬぐいのようなタオルが、日本でも作れないかと、里井さんが開発に着手。タオル独特の糸が“輪っか”になった“パイル織り”ができる機械を作り出したのです」(大阪タオル工業組合専務理事の樫井学さん・以下同)

 泉佐野市を含む大阪府南西部を泉州と呼んだことから、ここで生まれたタオルは“泉州タオル”として親しまれるようになる。泉州タオルの特徴は、何といっても吸水性の高さ。これは“後晒し”という独特の工程で生まれる。

「タオルを織る際、糸切れを防ぐために綿糸に糊やロウをつけます。ただし、そのままだと、滑りはよくなりますが、水をはじくので吸水性は悪くなります。そこで、糸についた不純物を取り除き(精錬)、白くする(漂白)ため“晒し”という工程を行います。泉州タオルの場合は“後晒し”といって、タオルが織り上がった後でこの工程を行うので、吸水性に優れた、肌触りのよいタオルができるのです」

 そんな工程を知ることが、使い勝手のよいタオル選びには大切、と同組合会長で『ツバメタオル』代表の重里豊彦さんは言う。

「5年ほど前から、団体のみ見学を受けつけていますが、いちばん盛り上がるのが、質問コーナー。柔らかく洗いあげる方法や、赤ちゃんには、専用の染料があるので“ベビー用”と書かれたものを選んだ方がいいなど、さまざまな疑問にお答えしていくと、皆さん、タオルに関する見方が変わるようで、選び方もわかってくるようです」(重里さん)

 ちなみに、タオルをふっくらさせるコツは、干す前に10~20回振っておくことだ。明治20年から続くふんわり優しい肌触りを、ぜひ体感してほしい。

※女性セブン2018年2月15日号

関連キーワード

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン